『改革の難しさ』

2009年04月02日

「改革」を実現するということは本当に難しいことであると痛感しています。改革をすると言えば、そこには常に旧態依然としたものを守ろうとする人間がスクラムを組んで必死に抵抗してきます。改革を阻む最大の要因は一体何なのか、考え抜いた末の結論として、それは「習慣」であると私は思っています。「生活は習慣の織物」という言葉がありますが、この習慣を変えることは非常に難しいことだと思います。個々人の習慣を変えることでも、中々難しいことです。タバコ一つでもそうですが、悪習を一旦得ると中々それを辞められなくなります。また良習を得た人は、言われなくてもその良習をずっと続けていっています。例えば、読書の習慣を幼い頃から身に付けると、何年経ってもやはり読書をする喜びを感じ、そして続けていっています。

まして国の制度を変えることは、容易ではありません。例えば「小泉改革」と大騒ぎしていた国民皆がそれをサポートしていくのかと思いきや、今になって見ると「あれは一体何だったんだ」、「格差を生んだだけではないか」と、このようなことを言う人が多くいます。また、麻生さんに至っては「郵政民営化は賛成ではなかった」という始末です。そのような状況においては、中々久しい因習を打破することは難しいと言わざるを得ません。国の改革について更に言いますと、例えば江戸時代の水野忠邦の改革は失敗しましたし、あるいは中国の王安石の改革も失敗しました。このように歴史上試みられた多くの改革は失敗しましたが、その改革を阻んだ主因は久しく続いた因習ではないかと思っています。

この改革を実現しようとする時、そこに当然あるのは「理性と強い意志」です。これからの社会のために「こうした方が良いに違いない」、「こうすべきだ」と言うその理性と「何としても成し遂げるんだ」と言う強い意志。これらがあらゆる改革をもたらす原動力になると私は思っています。私どものグループについても、様々な部分の改革を行う時には、この2つが無ければ不可能であると思っています。私は常に改革し続けられる会社にしていかなくてはいけないと考え、「我々グループは常に自己否定をし、自己変革を遂げ、そして自己進化をし続けるグループになるんだ」と最初から言い続けて来ました。それは歴史の勉強を通じて、この改革というものの難しさをある面で知っていたからです。

また、人間の放たれた感情は改革の実現を阻みます。「智に働けば角が立つ」と言うように、理性だけでは感情を押し込めません。その感情をどのように融和させて和らげていくのか。これは実社会の中で如何に細心の注意を払って、様々なことに配慮しながら、慌てず徐々にそれを変えていくかということだと思っています。この感情というものは常に理性に対して執拗に反発してきます。これは人間の持つ一つの習性のようなものであると、私は分析しています。

私は失敗の歴史から色々な教訓を得て、その結果として、様々なことに配慮しながら、これまで企業生態系を作って来ました。今後も改善・改革なくして、我々グループの永続的繁栄はないと思っています。従って、その様な意味で「改善・改革を阻むものをどのように取り除き、改革を実現していくのか」という知恵を更に身に付けていかなければいけないと考えています。



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