『東洋の食文化について』 |
2009年12月04日 |
『論語』の「郷党第十の八」に「色の悪しきは食らわず。臭いの悪しきは食らわず(色が悪く、悪臭のするものは食べない)」や「時ならざるは食らわず(時期外れものは食べない)」といった食に関する短い句があります。当たり前のようなことが書かれているわけですが、孔子はこのように食に対して非常に慎重でした。なぜかと言えば、中国では「医食同源」ということで、伝統的に医(健康維持管理)と食(食べ物)を密接に関連付けてきたということが一つあると思います。
この他にも中国には食物の世界にも「陰陽」という考え方があります。どういうことかと言いますと、例えば今は上海蟹のシーズンですが、蟹を食べるということは身体を冷やす働きがありますのでこれを陰とすると、陰のものを食べる時には同時に陽のものすなわち体を温めるものも食べて陰陽をバランスさせるという考え方のことです。だから上海蟹を食べる時には、まさに陽である生姜湯を飲んで陰と陽のバランスをとろうとするのです。このように中国人とは、食というものを非常に良く考えた民族なのだろうと思われます。陰陽のバランスをとるということを伝統的に考えてきた民族としては、韓国人も挙げられるでしょう。日本にも寿司のような生ものを食べる時に、なぜわさびをつけるのか、なぜ生姜を食べるのか、そして、なぜ濃い日本茶を飲むのか-これは……