『「金融危機責任税」構想について』 |
2010年01月22日 |
先日オバマ大統領は大手金融機関から向こう10年間で900億ドルの特別税を資産規模に合わせて徴収する「金融危機責任税」構想を発表しました(http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_22612)。
この構想が実行されるとすれば、課税対象の金融機関は結構打撃を受けるでしょうが、今回の金融危機で多大な迷惑をかけたことやウォール街における高額報酬の急速な復活ということを鑑みれば、負債の0.15%を一定期間支払うことは一つの考え方としてあっても良いと私は思っています。ウォール街の高額報酬の復活については、一昨日の「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」に「米大手金融機関の報酬、最高額の見込み(http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_22760)」という見出しで掲載された有料会員向けの記事に詳細な分析が書かれていますので、皆様には是非閲読して頂きたく思います。
今回の金融危機を機に、少なくとも公的資金注入により救済した企業に対しては上述したような課税をルール化するとか、あるいは注入した公的資金の額に匹敵するようなペナルティを課すことをルール化しても私は良いと思っています。従って、この考え方から言えば、今回の「金融危機責任税」構想のようにペナルティの対象を金融機関に限定する必要はないと私は思います。例えばGMのように公的資金を注入した企業の経営がある程度軌道に乗った後は、それ相応のペナルティを課していくことがあっても良いと思いますし、それにより高額報酬も抑制されて行くのではないでしょうか。AIGのように過大なボーナスが支払われて行くというのは、以ての外です。
また「金融にだけペナルティを課すことは不公平だ」という人もいますが、そもそもその考え方は少しおかしいと私は思っています。今回のGMやJALに対する措置はある意味例外的な措置で、日米欧の歴史を遡ってみても金融以外に公的資金を注入したことは通常殆どなく、やはり注入の対象は金融が主です。金融の世界というのは不良債権が集約化されていきますので、最終的にはどうしても金融が大きな痛手を被ることになります。金融システムが破壊されるということは、言わば心臓破裂するようなもので、人体に血液が循環していかないようなものです。従って……