北尾吉孝日記

古美術収集について

2007年6月20日 10:24
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趣味に古美術収集と出ていることもあって、古美術収集について質問のメッセージが来たりしておりますが、僕が古美術を好きになった理由は親や祖父の影響だと思います。

1920年のことですが、三井物産の綿花部門が分かれて東洋綿花という会社が出来ました。
その時に祖父は三井物産から東洋綿花に移り、長い間中国勤務をしていたのです。
ですから、実は母親も北京生まれです。
そして幸運にも祖父は東洋綿花の第5代社長となったのですが、戦後パージで公職追放になりました。
この祖父が中国で端渓の硯を中心に硯を集めていた影響で中国の家具、あるいは硯、陶器を中心とした置物、玉、そういった物に僕は非常に関心を持ったのです。
また父親も、様々な掛け軸(日本人が書いたものが多かったですけれども)を集めておりました。

僕が最初にコレクションを始めたのは、野村證券でニューヨークに勤務していた頃です。あの時はマイセン(陶器)に魅せられた覚えがあります。
マイセンの陶器については本当に本も沢山読みましたし、東ドイツのマイセンの工場にも行ったり、世界中の美術館でいろんなマイセンの陶器を見てきました。
ですが贋物が非常に多い世界です。
僕自身、贋物に随分引っかかりました(笑)
それ以来、マイセンの陶器に始まり、ルイ・イカールという1920年代から30年代にかけてアールヌーボ、アールデコと呼ばれた時代のフランスの画家の作品も集めました。
ルイ・イカールは女性を主に書いていましたけれども、そのルイ・イカールが描く女性の美しさに強く魅かれました。

美術品全部に共通して言えることは、いい物ほど贋物が多いということです。
そこで本物と贋物を見極める目を持たなければいけないと思い、様々な本を読みました。最終的には、ずっと眺めていることで本物には気品が感じられ、贋物は気品が漂ってこないと感じるようになりました。
本物の作品は超一流の画家や陶芸家が生涯を込める形で作り出したものであるから、やはり時代を経てもその熱意・情熱そしてその人の品性が作品を通じて表れているのではないでしょうか。
そのせいか、最近は以前ほど贋物を掴まなくなったような気がします(笑)

マイセンへの興味はだいぶ薄らいだのですが、最近は中国に行くことが多いので中国の美術品にまた興味を持ち始めております。




 

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