北尾吉孝日記

動き出した携帯電話市場

2007年11月13日 15:47
この記事をシェアする

先日、ソフトバンクの中間決算発表がありました。
感触に関しては孫さんから聞いていましたのでそれ程の意外性はありませんでしたが、発表した数字よりも、ソフトバンクモバイルの純増数が6ヶ月連続で首位となっていることの方が、私には喜ばしく思われます。
1ヶ月、2ヶ月ということでしたら偶然ということもありますが、6ヶ月連続して続くとなりますと将来起こる大きな変化の兆しとも感じられます。
ボーダフォン買収という思い切った決断、あれがあったからこそ携帯電話大手3社の一角として躍進しているのであり、孫さんの英断に改めて敬意を表したいと思います。

ボーダフォン買収の前、孫さんから
「北やん、相談がある。実は・・・」
と話を聞いたのですが、その時は他の役員から反対をされているとの事でした。
「金額が大きすぎる」「持ち株比率を下げてはどうか」という意見が多かったようです。
そういった意見が出ている中で、私は金融の専門家として1兆3000億円でボーダフォンを買収する場合、LBO(leveraged buy-out)として成功できるかどうかを考えたわけですが、私の分析は「できる」という結論になりました。
そして、
「孫さん、中途半端な株数を買うよりは100%買うべきだ。」
と言って孫さんの後押しをしたのです。

次に会った時、孫さんは
「北やんのお陰で踏み切ることができた。」
と言って感謝をしてくれました。
ただ、私は「1兆3000億円で」と言ったのに対し、いつの間にか1兆6000億円に跳ね上がっていたことは気にかかりましたが(笑)
しかし、孫さんが想定していた以上に現状はうまくいっているのではないでしょうか。

現在の携帯電話市場の図式を変えるものがあるとすれば、二つ考えられます。
一つは、NTTドコモやKDDIがソフトバンク以上にアグレッシブな価格戦略を打ち出してくるかどうか。
勿論、その場合にはソフトバンクが更に下げてくることも予想されますので、そうすると持久戦に入るわけです。
当然、この持久戦には相当の収益減を覚悟して臨まなければいけませんので、サラリーマン重役にその決断が出来るのかどうか、これがポイントになってくると思います。
もう一つは、全く新しいテクノロジーが出てくるかどうか。
例えば、新しい半導体が開発されて更に小型化する等のテクノロジカル・ブレークスルーがあり得るのかどうか、これも重要になってくると思います。
いち早く新しいテクノロジーを搭載した機種を開発した会社は、大きくシェアを拡大できるでしょう。
またコンテンツやサービスの拡充に関しては3社同水準で凌ぎを削るであろうから、この点においては差がつかないと考えられます。
したがいまして、価格戦略とテクノロジー、この二点の動向によってはソフトバンクがドコモと逆転することも大いに考えられると思います。




 

(任意/公開)
(任意/非公開)

  • 小
  • 中
  • 大



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.