北尾吉孝日記

『事業の撤退について②』

2008年2月25日 13:16
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私も過去にいくつかの事業を撤退させています。
ソフトバンクにいた時であれば、例えばゲームバンクという会社です。
ゲームバンクという会社は孫さんが鳴り物入りで、マイクロソフトと一緒に立ち上げた会社で、盛大な記者会見を開いてお披露目をしたのですが、その後3年も経たずして敢え無く撤退させました。
他にも東京電力とジョイントベンチャーでスピードネットという会社を作りましたが、この会社も早い段階で技術的に陳腐化したという理由で孫さんは見切りを付け、撤退しました。
この撤退はソフトバンクと東京電力の間にある種のしこりのようなものを残し、ある意味では費用以上の損失があったかもしれません。
しかし、誰も神様ではありませんので全ての事業を成功させられるとは限りません。
ですから、どうしても撤退という判断をしないといけない場面が、経営者には往々にしてあると思います。

私どものグループについて言いますと、日本最初のPTSであるイーボンド証券という会社を撤退させました。
これは当時、アメリカにもないコンセプトで、リーマン・ブラザーズ証券とジョイントベンチャーの形でスタートさせたのですが、あまりにも時代を越えたビジネスであったため、非常に早い時間で撤退の判断をしました。
他にも、今で言う外為証拠金取引をネットで行う会社を英国のコグノテックという会社とジョイントベンチャーで作りました。
この会社も最終的には撤退したのですが、今のように外為証拠金取引を取り扱う会社が無いときに作った会社でしたので、今まで残っていたら大成功していたかもしれません。
やはり時代の先を見すぎてしまっても、撤退しないといけない状況になってしまうということです。

そのまま続けていたら上手くいったかもしれないのですが、グループ創設の早いタイミングで44社も創ったにもかかわらず、幸い撤退した会社というのはその2社だけです。あと2社ばかり売却したのもあります。他の会社は日本の風土や日本におけるインターネットの進化に合うように、様々な形で改良改善を加えた結果、好調に継続させることが出来ています。
今年の年頭に「今年は剪定する年です」ということを話しましたが、この「剪定」というのは単に撤退ということだけではなく、SBIグループでやるより他所の方が良いという場合も考えています。
あるいは公開させるということは内から外へ出すと言う意味での剪定になると思いますし、公開させないで取り込むということは出ている枝を切り、根だけを一緒にさせるという意味での剪定だと思います。
今のSBIグループは全ての会社が相互にシナジーを生むように作り上げてきましたが、そのシナジーを更に効果的に発揮するためのグループ再編成ということが今年の大きなポイントになるのです。
今年は干支的にもそういう年となっておりますし、グループを見ながら私が考えていた様々なことを具現化していくつもりです。
その上で、今回の東芝の件は撤退について再度考えさせられる非常に良い機会となりました。




 

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