北尾吉孝日記

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サブプライムローンの問題は過去において何回か書きましたけれども、やはり長期的にネガティブな影響が持続するような様相を呈しております。

振り返ってみますと、おそらく最初の出発点は、2007年2,3月頃ではなかったかと思います。その当時は世界的にこれ程大きな問題になるとは見られていませんでしたが、7,8月頃になると、証券化の形で全世界に飛び火し、レバレッジが効いて単にサブプライムローン150兆円の問題に留まらず、非常に大きな問題となりました。その後、この問題は世界の金融システムにおけるクレディット・クランチ、信用収縮の問題と認識されるに至り、ヨーロッパの中央銀行が信用を注入し、続いてアメリカのFRBも信用の注入をするということが起こりました。そして、今問題となっているのは、クレディット・クランチというより、キャピタル・クランチで、各企業の自己資本が不足し、債務超過に陥るという状況であります。従って、例えば、アラブの国や中国の政府ファンドに依頼する形で、各企業ごとに資本注入を求める段階に来ています。

そういう中で、FRBにより「証券貸出制度の拡充」という措置も施されましたが(※1)、今後とも金融システムを正常化するためにあらゆる措置を次々と講ずる必要性がある一方、個別問題企業の問題については、おそらくこれから6ヶ月位の間に、資本注入の有無により、潰れるところは潰れ、助かるところは助かるということで大体決着がつくと思います。従って、現在、最終局面といわれるキャピタル・クランチの問題に入っていると思われますので、サブプライムローン自体に派生するような問題は今後6ヶ月位でピリオドが付くと思っています。

ただし、今後のアメリカ経済については、この問題がトリガーとなり、アメリカの不動産価格の落ち込みが逆資産効果を生じさせ、消費や投資がさらに落ち込む可能性が高いと思います。資産と消費の関係が非常に強いアメリカにおいては、資産が落ち込むことで消費や投資が落ち込んでいく状況になります。今日アメリカ経済そのものについて、リセッション入りの見方をする人が多数を占めるに至っていると思います。さらにドルが大半の通貨に対して非常に弱くなっている中で、湾岸諸国の国は所謂ドルペッグを離脱して行こうとする動きがあります。そうした中で、ドルに対する信認がさらに低下していくと、ドルは裏付けの無いただの紙切れになります。従って、その意味では、どこまでドルに対する信認が低下するかと言う問題が今一番大きな懸念材料だろうと思われます。

翻って日本経済をみると、アメリカ経済の影響やアメリカ経済の影響を受け始めた中国等の経済状況により、今まで好調に推移していた輸出も減少し始めています。さらに、円高が急速に進み、デフレから完全に脱却していない日本経済は非常に手痛い状況になるのではないかと危惧しています。

何れにせよ、これから半年から一年ぐらいが正念場だと思います。我々としては、この時期をアセット拡大のチャンスと捉えていますので、不動産をはじめ、安くなった株についても、出来る限り集めていきたいと思っています。株式市場は全体として見れば先見性を持っている(個別銘柄は往々にして間違える)ので、秋口ぐらいから回復に向かうのではないかと思っています。

参考
※1:証券貸出の拡充、規模が今後拡大する可能性=FRB幹部




 

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