北尾吉孝日記

『グローバリゼーション』

2008年6月6日 15:37
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最近アジアの中央銀行が為替介入を行っているとの観測もありますが、そこで思い出すのは1997年のアジア通貨危機です。あの時、その契機となったのはイングランド銀行を叩き潰した男として有名なジョージ・ソロスのクオンタム・ファンドでした。現在の世界情勢を考察すると、あのような形でファンドが世界的な通貨危機のきっかけを作ったり、ファンドの収益目標のために政府の為替介入を逆手に取り、一種の市場操作的なモメンタムを引き起こすというようなことは、もはや無いと考えています。

今、私が最も心配している事はドルの信認問題であります。現在、若干ユーロが基軸通貨としての役割を一部担いつつありますが、基本的にはドル本位制の下、ドルを基軸通貨とする形で現在の世界経済は動いています。従って、もしその信認が産油国のドルペッグ離脱等で崩壊すれば、非常に大規模な通貨危機になると考えています。

我々日本について言えば、円の国際化のチャンスは80年代にありましたが、残念ながら世界の主要通貨になりえませんでした。もし80年代にそのようなことが実現されていたら、日本が金融立国としての役割を担えるチャンスであったと思います。当時の政官界がそれを導けなかったということは残念でした。

日本の円が、国際的なリザーブカレンシーとして世界各国に保有されるためには、日本が本当の意味でグローバリゼーションを実現する必要性があると思います。世界の主要国との比較において、如何に日本の国際化が進展していないかと言えば、例えば各国GDP比の対内直接投資残高を見ると、日本が2.5%であるのに対し、英国では47.8%、アメリカは13.5%であります。あるいは日本在住の外国人の内、永久永住権を持っている外国人の割合は、1000人あたり0.6人であり、そのような面から見ても、非常にお粗末なグローバリゼーションの状況であります。

今年1月のダボス会議では、アメリカのライス国務長官が、「Globalization is not a choice, but a fact.」と発言していました。もはや選択の問題ではなく事実であるグローバリゼーション、この世界の潮流に一番乗り遅れている先進国は日本だと言わざるをえません。このような国が、その国の通貨である円を世界の主要通貨とすることは、当然出来るはずがありません。そのような意味からも、日本の立ち遅れたグローバリゼーションを世界の先進諸国並みにもって行くことが必要だと思います。日本人は江戸時代に約200年間の鎖国を経験し、島国であることから、島国根性が抜け切れない国民性でありますので、大いに若い人には英語を意識的に勉強し、世界に羽ばたいていただきたいと思っています。

昨日、ロンドンでのインフォメから帰国したばかりです。二日間でしたが、びっちり英語で喋りまくってきました。印象としては昨年より、欧州の有力機関投資家の当社に対する理解も深まり、関心が強くなったと感じました。




 

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