北尾吉孝日記

『金融行政の在り方』

2008年7月18日 14:08
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シンガポールが新たな商品取引所、「シンガポール・マーカンタイル取引所(SMX)」を創設し、2009年から運営を開始するということが発表されました。これは東南アジアにおける金融世界の中心になろうとする狙いの一環であると思います。この新たに誕生する商品取引所は、金やプラチナなどの貴金属、鉄や銅などの基礎金属、米などの農産物、石油などのエネルギー関連商品と言った従来の商品だけではなく、温室効果ガスの排出権も取扱商品の中に組み入れるということです。

この商品取引所は、インド系のファイナンシャル・テクノロジーズ・グループ(FTG)が100%出資で設立しました。シンガポールの金融通貨庁(MAS)は、このような動きに対して、我が国の行政組織とは対照的に、非常にオープンであります。このようなことが、ある意味でその国の金融市場の厚みをもたらすことになり、世界中から様々な金融取引を行う会社が集まったり、あるいはさらに新しい競争相手の市場が出来るなど、金融市場として層を増すことにつながっていくと考えています。

ところが我が国の行政は、「これはダメ、あれもダメ」ということが非常に多く、日本は海外から参入しにくい市場と言われています。今後もこのような日本の鎖国的な状況が続くとすれば、世界的なマーケット、あるいはアジア圏でのマーケットは、ことごとく他国により運営されることになると思います。

以前から私は何度も申し上げている通り、日本は金融立国を目指すべきだと思っていますが、このように海外に門戸を開くことに消極的な行政が支配する日本では、金融立国となることも非常に難しいと考えざるを得ません。

尤も金融立国というだけではなく、世界の主要国との比較において、如何に日本のグローバリゼーションが進展していないかについても考えてみる必要があります。例えば各国GDP比の対内直接投資残高を見ると、日本が2.5%であるのに対し、英国では47.8%、アメリカは13.5%であります。このようなデータからも、グローバリゼーションという世界の潮流に一番乗り遅れている先進国が日本であることは明らかであり、今後は外国からの資本が入るような税制改革や、その他の行政の変革が求められていると思います。




 

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