北尾吉孝日記

『事業承継問題』

2008年8月21日 14:31
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総務省がまとめた2007年の個人企業経済調査によれば、町工場や商店などの個人企業において、60歳以上の事業主が7割を超え、後継者がいる事業所の割合は2割前後であるということです(※1)。

戦後63年を経過して、終戦後まもなく事業を作り上げた人あるいは日本の高度成長期に事業を独立して作った人が高齢化し、現在は事業を継承していくという時期に来ています。だから、オーナー系の公開企業や未公開企業では、事業承継の問題に関して、多くのオーナー経営者が非常に悩んでいます。子どもがいないことや、あるいは子どもがいても事業を行いたくないとか、事業に向かないということで、跡継ぎに困っているのです。そのような状況下で、MBOやLBOを行うSBIキャピタル株式会社には、小規模な商談が様々なところから非常に沢山来ており、中には素晴らしい技術を持っている会社もあります。

こうした中小企業は、日本の下請け制度下で活躍してきた個人企業が割合多かったのですが、結局は取引をしていた大企業が中国に進出したり、あるいは競争に負けてそうした事業分野から敗退したため、もろにその影響を受け、やっとのことで生き延びてきているところも多いのです。つまり、現在の個人企業は、跡継ぎがいるとしても商売相手である大企業がおらず、また、海外に行くことも出来ないという、非常に厳しい状況にあると言えます。

そのような苦境に立たされている会社の高度な技術を、日本国内で継承していければ良いのですが、継承していくところが無いのが現状で、従って、こうした個人企業を海外に持って行けるような工夫、あるいはその技術を継承させるような工夫が何とか出来ないものかと、私自身も考えています。

破綻寸前の企業からは、おそらく技術者がいなくなりますので、今の内に海外への技術移転を考えなくてはいけません。たとえば現在の『世界の工場』である中国に持って行ければ、十分活躍出来る個人企業が日本には沢山あります。したがって、そのような形で技術移転を進めることを一つ考えています。

また一方で、会社を売るのではなく、技術やノウハウだけを売ることで対価を得ていくことも考えられます。例えば、中国から日本に派遣された人を研修し、技術を持ち帰ってもらうようなことであります。そのような仕組みも出来れば良いと思っています。

参考
※1:http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20080811AT3S2502S10082008.html




 

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