北尾吉孝日記

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株式会社ジャスダック証券取引所は、遅くとも10月始めには株式会社大阪証券取引所により株式公開買い付け(TOB)される予定であります。ただ、現在株式市況の長期低迷もあり買収価格でもめている状況のようです。予定通りに事が運べば、いよいよ証券取引所の再編成の序章が始まります。敢えて序章と申し上げたのは、今後更なる再編成に向けた動きがあるからに他なりません。最終章に至る道のりは、かなり長い年月がかかると思います。

米国の証券取引所を見ますと、いわゆるPTS(Proprietary Trading System、私設取引システム。米国ではATS: Alternative Trading System、ECN:Electronic Communication Networkとも呼ばれる)が証券取引所と合併する中で変化が起こりました。例えばNew York Stock Exchange, Inc.とATSの代表格であったArchipelago Holdings,Inc.の合併のように、証券取引所のシステムの進化と密接に結びついた形で再編が行われました。

日本においても、最終章はそのような形になると私は考えています。今後「ジャパンネクストPTS(SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する私設取引システム)」の取引時間が昼間に拡大すれば、NYSEユーロネクストと同様の最新鋭取引システムによる圧倒的なスピードの差と呼び値の刻み(ティックサイズ)の差等、様々なところで既存の証券取引所よりも優位に立つジャパンネクストPTSの取引量は、必ずや株式会社東京証券取引所(以下、東京証券取引所)の取引量の10%に迫るものになるだろうと思います。PTSの運営において、取引量が対国内全取引所比の全売買代金の10%を越えてはいけないという制限がありますので、その時が最終章に向けた動きが本格化すると考えています。

また、日本には証券取引所が多過ぎることが問題となっております。「果たしてこの狭い日本に幾つもの証券取引所が必要であるのか」、また「地方に証券取引所が存在する意味はあるのか」などについて、今後議論が深められていくかと思います。そのような中で、経営が成り立たなくなり、整理・再編される地方の証券取引所が出てくることも、最終章に至る過程において起こるだろうと考えています。

また、東京証券取引所は言うまでもなく、株式の公開を目指している一私企業ですので、クリアリングバンクの70%を持つことはいかがなものかと思っています。これは当然ながら、資本を取引業者に広く分散させるべきであります。さもなければ、この点においても、私は次の一手を打たざるを得ないと思っています。




 

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