北尾吉孝日記

『2008年の総括』

2008年12月29日 13:32
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2008年を振り返りますと、やはり米国サブプライムローン問題に端を発した世界的経済危機を予見していたかどうかで、全てが違っていたであろうと思っています。私はある種の直感と予見を持って2008年を迎えましたが、そのことである意味我がグループでは大きなリスクを背負い込み、倒産の危機に直面するというようなことが回避できたと思っています。その意味においてトップの直観力、あるいは世界経済や日本経済を見る洞察力、先見性というものの重要性を今年ほど感じた年はこれまでありませんでした。私は別に自慢しているのではなく、そのように出来たことを神に感謝するという意味で申し上げているのです。

もちろん収益的には保有株式の株価が大幅に下落して、キャッシュの流出を伴わない形での評価上のマイナス面(例えば住友信託銀行株)があることは事実ですが、それは企業の発展にとって何も問題ではありません。そのようなマイナス面も無い方が良いに越したことはないですが、これはアカウンティングの問題でありますので、私はそれほど重視していません。我がグループは様々な手を打つことで2008年も進化を遂げることが出来ました。

打ち手の一つ目は我がグループの最大のキャッシュカウである株式会社SBI証券(以下、SBI証券)を100%子会社にしたことです。これによりグループ内の資金の過不足の一元管理を本格的に進めることが出来ました。またネット銀行等の新事業とのシナジーの追求も積極的になされるようになりました。二つ目は昨年9月24日より開始した住信SBIネット銀行株式会社(以下、住信SBIネット銀行)の業績が来年度黒字化を期待出来る程順調に推移をしており、我がグループにおいて非常に大きな存在になりつつあります。三つ目はSBI損害保険株式会社(以下、SBI損保)が今年1月から、SBIアクサ生命保険株式会社(以下、SBIアクサ生保)が今年4月から営業を開始したことも大変大きな意味があったと思っています。特にネット損保は大躍進中です。

現在のような経済環境になりますと所謂「ユニクロ現象」が起こり、消費者は安価で価値ある物に移っていきます。つまり「ユニクロでは物が売れるがデパートでは物が売れない」というような世界になっていきます。そのような中で我がグループはSBI証券が業界最低水準の手数料体系を提供し、住信SBIネット銀行がインターネット専業銀行の中で最高水準の預金金利を提供し、そして、SBIアクサ生保やSBI損保も同様に最も安い部類に入る保険料を提供できています。そういう意味でもこの経済危機において、消費者や投資家から支持される会社群を傘下に持っている私どもは、ビジネスにおける様々な形での発展性が非常に大きいと考えています。

それから四つ目はFX取引(店頭外国為替証拠金取引)に関わるマーケット機能を提供する、SBIリクイディティ・マーケット株式会社の営業を先月11月17日より開始したことです。このビジネスは私どもの収益にとって即効性があると考えていましたが、今や1日に2千万円~3千万円を稼ぐ会社になりました。おそらくこれが本格的に稼動し出しますと、1日に5千万円~1億円を稼ぐことが可能であると考えています。日本におけるフォレックスマーケットの成長過程において、リーダーシップをとり得るマーケットを創設することができ、大変嬉しく思っています。

そして五つ目は12月末から「ジャパンネクストPTS(SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する私設取引システム)」の昼間取引が本格的に開始されたことです。スタートして直ぐに先行のカブドットコム証券株式会社を抜き去り、その乖離度は申すまでも無い状況になってきています。更に今あるシステムを開発していますが、そのシステムがSBI証券で利用されることになりますと、いわゆる最良執行が可能になります。すなわち機関投資家にとって、どの市場で取引すれば最も有利かをシステムが瞬時に判断し、最も有利な市場を選んで自動的に売買を執行することが出来るようになります。これは機関投資家に対し極めて大きな便益が与えられることになりますので、このシステムを一日でも早く完成させるよう、急がせているのが現状です。これが完成すれば大いなる差別化に繋がりますし、また現在のSBI証券の顧客は個人投資家が主体ですが、機関投資家が新たに顧客として加わってくると考えています。

最後に六つ目は21世紀の中核的産業の一つと言われているバイオテクノロジー分野においても、確実に様々な成果を生み出しています。東京大学医科学研究所元所長の新井賢一先生を招いて2001年3月末に設立したSBIバイオテック株式会社ですが、癌のための創薬開発ステージがフェーズ1に入ったこと、また、韓国のパートナー企業であるHelixir Co.,Ltd.と開発したサルナシ抽出エキスPG102という物質を、アトピー性皮膚炎や花粉症などに効く健康商品として販売する体制の構築等が着実に進んでいます。あるいはコスモ石油株式会社が大量低コスト生産を可能としたALA(アラ)という物質を有効成分とする医薬品、化粧品、健康食品の開発と販売促進を行うため、今年4月にSBIアラプロモ株式会社を設立しましたが、化粧品に関しましては既に販売できる段階にまで来ています。このようにバイオ関連事業において次々と新たな地平を切り拓いてきましたが、更に言えば有望な投資先ということで、SBIグループとしてクオーク・ファーマシューティカルズ社(出資比率:24.87%)とアキュセラ社(出資比率:26.34%)に出資しましたが、これも来年には目覚しい成果が出て来るという感じです。株式市場への新規上場のみならず、国内外大手製薬会社へ売却する形で収益の具現化をはかれる可能性があると考えています。

このようにこれまで色々と手を打ってきたことが2008年に実を結んできましたし、2009年には更なる成果が期待できると思っています。もしこのように様々な手を打たなかったら、2009年には全く夢を持てなかったと思います。来るべき2009年における更なる飛躍を期待し、年を越したいと考えているところであります。
本年は小生の拙いブログにたくさんのコメントを頂き実に有難う御座いました。どうぞ皆様方も良いお年をお迎え下さい。




 

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