北尾吉孝日記

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いよいよ来たる1月20日(余談ですが私の誕生日は1月21日です)にバラク・オバマ氏が大統領に就任することになります。米国の相場は大きなチェンジを期待して、そしてあたかもオバマ氏が救世主であるかのような期待感で少し戻しました。米国史上初めての黒人大統領であること自体が一つの大きなチェンジを象徴していると、私は思っています。

過去の世界覇権の歴史を振り返って見ますと、産業革命以降はアングロサクソンが圧倒的な力を持ち支配する世界を作り上げて来ました。アングロサクソンの世界というのは、ある意味色々な形で衝突を招くような世界であったとも言えます。例えば第二次世界大戦後のイスラエル建国はアングロサクソンとジューイッシュ(ユダヤ)の動きにより成されたわけですが、その結果として今日まで常に中東に戦争の火種を残すことになりました。あるいはブッシュ政権は現在まで発見されていない大量破壊兵器を持っていると開戦時に断定して、大変な戦争を仕掛けました。オバマ氏は既にイラクから撤退し、アフガニスタンに部隊を集中させると表明していますが、黒人とは言え米国人の彼がこれまでの所謂アングロサクソン・ジューイッシュのやり方とは違った形で、この中東問題を扱っていくのかどうかについて大いに関心があるところであります。

それから北朝鮮に対しても、恐らくブッシュ政権とはかなり違った対応をするのではないかと思っています。これまでは六カ国協議という枠組みで北朝鮮問題を取り扱って来ましたが、結局不毛に終わり、ほとんど何も解決していない状況になっています。これについてどのような対応をするのか、チェンジがあるのかということについても注目しています。またアジアについて言えば、これまで米国は日本を中心としたアジアという考え方をとって来ましたが、ブッシュ政権は途中から中国やインドをかなり重視する采配に変えてきています。オバマ氏自身が米国と日本、中国、インド等々との位置関係をどのように考えているのか、これも非常に興味深い点であります。以上、ブッシュ政権からオバマ政権に変わることでアメリカ外交がどのようになっていくかについて、私自身が注目していることです。

経済面で言えば、かなり積極的な財政出動をオバマ氏は考えているとの報道が複数あります。そして数年間は1兆ドル規模の財政赤字を覚悟しているような面もあります。既に2008会計年度は4548億ドルの財政赤字(GDP比3.2%)になっていますが、2009会計年度はおそらく1兆ドルを超えてくると思われます。これは2009会計年度の財政赤字のGDP比が8%を超えることであり、それは2010会計年度もおそらく続いていくと想定されます。この膨大に膨れ上がるであろう財政赤字とドルの信認の維持という、ある意味で当面は二律背反的な政策課題にどう対処していくのかについても、私は非常に大きな関心を持っています。そしてまた、どのような産業分野にウエートづけをして、将来の米国の繁栄を目指そうとするのかについても、ベンチャーキャピタリストとしては大変興味深いところであります。

以上、外交面、経済面でどのようなチェンジが起こり得るかについて、私の関心事を述べてきました。オバマ氏が導くかもしれないチェンジは、日本に対しても非常に大きな影響を与えていくものと考えています。今後も彼の動向を注視していきたいと思っています。




 

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