北尾吉孝日記

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ユーロは今年、創設後10年目を迎えました。創設前から色々なことを言われてきましたが、結果において非常に順調に拡大をし、発展をしています。そしてまたユーロという通貨自身も、非常に強い通貨として基軸通貨の一端を担うかのようなある種の期待感を抱かせています。ところがここへ来てユーロが円に対して弱く、ドルに対しても弱いという状況になっています。もちろん現金流通量としては順調に拡大し、2007年末に比べて昨年末は13%近く増え100兆円規模に到達したそうですが、現在この深刻な経済危機に直面して一つの試練を迎えているように思います。

現在の基軸通貨ドルとの比較で言えば、ユーロがそれに取って代わるという環境には、まだまだないように思います。おそらくこれからがユーロの正念場であると考えています。つまり英国、スペイン、イタリア、ギリシャ、そして、IMFなどから融資を受けた東欧のハンガリーといった国々の経済問題を克服していけるかどうかが、今後のユーロを占う上での試金石になると思っています。従って、2009年はユーロの将来をある意味で方向付ける年になろうかと考えています。

また本題からは少し逸れますが、アジアにおいては中国がASEANなど近隣国・地域との貿易取引について、元建て決済を一部解禁する方針を示しました。これは人民元の国際化を図る動きであり、アジアにおける一つの通貨ブロック圏の構築を視野に入れた方針であると考えています。これはこれで良いとは思いますが、通貨ブロックのような昔の世界が甦ってくることは、また考えものであるとも思いますので、今後の動向を注視していかなければいけないと認識しています。

今回の経済危機においては、ユーロ圏の一つ一つの国が様々な問題を抱えていて、全体としてどのように救済していくのかということが、一つの大きな課題として浮き彫りとなりました。もっとも歴史的・文化的・経済的背景がそれぞれ違った国々が経済統合できるのかということは、キークエッションとしてもちろんあります。特に近年ユーロ圏は東欧諸国に拡大し、ユーロの利用者は益々増えていますので、そのような問題意識は今後更に重要性を増すものと思われます。一方でユーロ圏の出現により良い面も多々あったことは、欧州の発展を見れば明らかです。従って、創設後10年を迎えた今年は、これまでの問題点を全て洗い出し、どのような形でそれらを克服していくのかということを一度総括して、それに向かって進んで行く年にすべきであると私は思っています。そして、ユーロ圏各国が様々な経済問題を克服し、発展のスピードを速めていくことを切に願っています。




 

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