北尾吉孝日記

『臓器移植について』

2009年5月12日 8:40
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連休明けから臓器移植法改正案の審議が本格化し始めましたが(※1)、基本的な考え方として、私は他国に臓器を依存するというようなこれまでの日本のスタンスをこれからも継続していくということは非常に難しくなると思っています。京都大学の山中伸弥教授が世界に先駆けて作製したiPS細胞(新型万能細胞)によって自分の臓器を自分の細胞から作ることが出来る時代ならばともかく、当面は現行の臓器移植法を早期に改正して、移植を受けることを待っている日本人に日本人が臓器を提供する形にすべきであると考えています。

私の遠縁で約30年に亘りドイツで心臓移植や肺移植を実践してきた日本大学医学部心臓血管外科教授の南和友氏とついこの間ご飯を食べましたが、その時に臓器移植の問題についても話し合いました。南教授からは移植しなければ余命幾ばくもない日本人の患者が沢山ドイツに来て、彼の執刀を受けていたという話など色々聞きましたが、ドイツでは多くのドイツ人が移植を待っているということを考えますと、やはり自国民の為に臓器の使用は優先されるべきであると思いました。それを例えば、アジア諸国において生活のために二つある腎臓を一つ売るということが随分問題になっていますが、開発途上国で日本人がお金で他国民の臓器を買うということはやはり良くないと思います。

人間の死における脳死の考え方も関係してくるとは思いますが、私は死んだら臓器を提供するということを法律に規定するか、あるいはドイツの法律の様により積極的な規定を設けるべきではないかと思っています。ただ単に臓器を燃やしてしまうというよりも、それで生きられる人がいるならば、そのような提供の形を法律で定めるということがあっても良いのではないかと思います。また、臓器提供の意思表示が出来る年齢を引き下げるということも一つの論点となっていますが、基本的に引き下げても良いと私は考えています。子どもが臓器の提供を望み遺言を残すという事例を最近テレビで2回ほど見ました。その子ども自身も移植を受けようと待っていましたが、結局待っている間に亡くなってしまいました。「自分の分まで生きてもらいたい」、そう願うのは大人であれ、子供であれ同じことではないかと思っています。

この問題については色々ご意見があろうかと思いますが、私はこのように考えています。

参考
※1:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090505-OYT1T00844.htm?from=any




 

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