北尾吉孝日記

『GM国有化について』

2009年6月9日 9:06
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米国政府はGMという米国の一つの象徴的企業を国有化しましたが、今後GMが米国経済の中でどのようなポジショニングを得られるのか、そして、世界の自動車産業の中でどのようなポジショニングを得られるのか、私は非常に大きな関心を寄せています。

前にも述べたことがありますが、これから自動車業界は遅かれ早かれ電気自動車の時代に入っていくと思っています。そのような技術革新が国有化企業のGMの中で果たして起こるのかどうか、私は非常に懐疑的です。歴史を振り返りますと国有化企業で大きな技術革新が起こったということは、世界的に見てもほとんどありませんでした。その象徴的なものが共産主義で、全てが国有化されている状況では軍需技術以外何一つとして技術革新は起こらず、むしろ後退していたと言えると思います。

アダム・スミスの所謂“インヴィジブルハンド(神の見えざる手)”に任せておけば、今回の私企業としてのGMがダメになったように全てが上手く行くということはないわけですが、自動車産業という大変な国際的な競争に晒されたグローバル産業において、国有化ということが一つの大きな試練になるであろうことは間違いないと思っています。国有化企業において、一体誰がどのようなインセンティブで経営をするのか。今までGMのトップが貰っていたような高額の報酬を公務員となった人が受け取ることは当然出来ないと思います。今後はGMの技術者や有能な人ほど民間のグローバル企業の「草刈り場」になるのではないかという気もしています。何れにせよGM、AIGといった国有化された企業の今後の展開に注視していくべきであると考えています。




 

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