北尾吉孝日記

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今思えば良かったと思う内閣総理大臣を1人選ぶとしたら誰ですか?」という意識調査が行われたところ、2位の安倍晋三氏(8.8%)以下を大きく引き離して小泉純一郎氏(29.2%)が断トツの1位であったそうです。

日本の歴代内閣総理大臣の中で総理として本当に立派な人は、残念ながら非常に少なかったと私は思っています。私が生きて来た時代において、リーダーシップを発揮し、日本の国力向上のために非常に大きな働きをした総理は池田勇人氏であったと思います。彼は所得倍増論を展開し、実質的にそれを成し遂げた偉大な人物であります。そしてもう一人は、日本では珍しいスケールの大きな政治家として中曽根康弘氏が挙げられると思います。彼は非常に大局的な見方の出来る人物で、日本の国際的な地位向上に大きく貢献しました。90才を越えた現在でも矍鑠として傾聴に値する正論をテレビ番組等で述べておられます。

国民的な人気が高かった小泉氏とは、経済政策的には非常に大きな失敗をした人であると私は思っています。以前のブログで申し上げた通り(『グローバル資本主義における諸問題』)、小泉政権下において、例えば年収200万円以下の人の数が1000万人を超えたという事実があり、ジニ係数で見ても所得分配が不適正化されていることが明らかです。そして、その一連の中でも私が最も問題視していることは労働者派遣法の改正です。今回のような不況下では業績のV字型回復に繋がることもあり、企業にとっては非常に都合の良い法律で基本的にサポートしているメーカーが多いですが、やはりマクロ的に雇用を見た場合、それは天下の悪法と言わざるを得ないと思っています。

更に言えば、小泉氏は「郵政民営化」を唯一の争点として衆議院議員選挙を実施し、与党で3分の2以上の議席を獲得しましたが、その後は参議院での議決が全く無視されるという本来の国会機能が喪失した状況が続いています。その中で小泉氏に続く安倍氏、福田康夫氏は自ら短期間で職を辞し、現在の麻生太郎氏は政権にしがみ付いているようにしか私には見えません。こうしたことも国民に信を問うことなく政権運営が行われる議決権を得たという意味で小泉氏に因があると言わざるを得ません。やはり争点として挙げるべきは国民の生活であり、国民の将来であり、そしてどのようなビジョンで新しい国づくりをしていくかと言うことであると思います。それを「郵政民営化」と言う一つの極めて小さなことを争点とし、結果として大勝しましたが、それは非常に間違った選挙のやり方であると思っています。私の中で小泉氏は宇野宗佑氏と並ぶ最低の総理であったと認識しています。もっともこれも政治のレベルは国民のレベルということですから致し方ないのでしょう。




 

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