北尾吉孝日記

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以前このブログで指摘した通り、中国の銀行融資は急激に増加していますが(2009年1月~6月の累計-7兆3667億元-は2008年通年実績の1.5倍)、その中で個人に対しての貸出が結構増えています
『中国における消費者金融業』)。しかもその銀行融資が株式や不動産等への投機に回っている部分が少なからずあると言う現状を見るに、「これが不良債権化しなければ良いな」と言う思いを私は常に持っています。なぜならば「デカップリング理論」ではありませんが、今や世界経済、とりわけ日本の輸出産業が回復し始めたのは、まさに中国の現況に因る所が大きいからです。つまり、急増した融資が投機市場に入ることで株価が上昇し、投資家がキャピタルゲインを得ることで消費が増え、そして今度は企業の投資が増える、という形の好循環に現在の中国はなりつつあると言うことです。

また昨今の米国住宅市場の動向を見ますと、販売、在庫、価格が共に好転し始めていることが分かります。今回の米国の経済危機はサブプライムローンと言う住宅に関わる所から齎されたわけですが、この部分に少しのポジティブサインが想定よりも早く見え始めたことで、米国の不動産マーケットが回復過程に入り始めています。それは不動産市場だけではなく、株式市場でも起こっており、その米国の状況が世界の株式市場にも良い影響を齎して来ています。日本のマーケットも遅まきながら回復して来ていますし、中国やその他の新興工業国のマーケットの回復度合いは大変なものです。そのような中で中国のマーケットに海外からのお金が流れ始めていますので、少し懸念はありますが中国の好循環は当面持続すると見て良いのではないかと私は考えています。

株価の押し上げが消費の押し上げとなり、それが投資を押し上げ、そしてまたそれが日本をはじめとする近隣諸国からの輸入増加を齎す-中国がこのような形で世界経済の牽引者としての役割を果たしてくれるならば、大いに結構なことであると思っています。




 

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