北尾吉孝日記

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衆議院選挙まで2週間程度となりましたが、昨今のメディアの報道を見ていますと、依然として民主党が有利な状況が続いているように思われます。もちろん「小沢秘書逮捕」のように選挙結果に大きく影響を与えるような民主党に関するスキャンダルが、これから突如として起こって来る可能性は否定できませんが、現状は政権交代が現実味を帯びて来ていると言えるのでしょう。

現在の様々な調査で民主優勢と言う結果が出ているのは、例えば戦後60年以上に亘って一党が政権の座について来たことによる行政府と立法府の癒着の問題や、あるいはそもそも自民党と言う政党に国家的なビジョンを高らかに謳い次の時代に向けてリーダーシップを発揮する人材がいないこと等に対して、変化を求める声が非常に強いことの表れであると思っています。ではもう一方の民主党にそのような人材がいるのかと言う問題はありますが、やはり二大政党制と言う形をまず築き上げ、お互いが独裁政権であるかのように安住できる状況ではなく、常に緊張感を持って切磋琢磨していく状況を作るべきであると言う国民の判断がそれらの調査結果に示されているのだろうと思っています。

そこで最近では仮に民主党政権が誕生したら、その政策により株式市場、外国為替市場、金利市場でどのようなことが起こるのか、と言うことに対して経済界では人々の関心が移って来ています。先日発表された民主党のマニフェストに関して、様々な人が色々な観点から批判的な意見を述べていますが、特に財政赤字を無視したあれだけのバラマキの財源について、無駄を排除するだけで本当に捻出できるのかということを疑問視する声が多くあるように思います。しかしそれに対して民主党は消費税の増税を当面は行わないと明言しており、消費税を上げないとすれば赤字国債を大量に発行して行くと思われますので、長期金利は上がっていくのではないかと見る向きが多いようであります。ただ一方で無駄の金額が一体どれぐらいあるのかについて、誰にも分からないのも現実としてあります。

それから1兆226億5700万ドル(7月末時点)の外貨準備高をどのように運用して行くのかについても新たな施策として重要になってくると私は思っています。世界がソブリン・ウエルス・ファンド(SWF)のようなものを創設して溜め込んだ外貨を使い運用益を上げて行こうとしている中で、日本はこれまでドルを支えるためにただ単に円売りドル買いだけをして来ました。ただ今回の世界経済危機を経て、現在は本当にドルの価値が減価するかも分からない局面に入っているにも関わらずこのままの運用体制で大丈夫か、と言う不安感が芽生え始めていることも事実としてあります。その中で民主党政権下において、例えばその外貨の使い道を真剣に考えて行くことで、思わぬ利益を生む可能性もあると思っています。従って、「無駄遣いとして使われている部分」と「何も使われなくて放置されている部分」の2つを如何に活用して行くのかが、民主党に課せられた大きなテーマの一つになると思っています。

そのような無駄の排除と新しい儲け方により如何に国の財産を殖やして行くのかを考えますと、そのためには第一に国民的英知の結集が必要なのであろうと思います。それも単に日本だけではなく、世界中からの英知の結集が必要になるのではないかと私は考えています。つまり民主党が大変優秀な人材を豊富に抱えているとも思えませんので、民主党が仮に政権を取ったら、世界中から英知を集める施策を展開し、それに対して迅速な評価決断を下していくことが出来るかどうかが、最大の試金石になるだろうと思っています。




 

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