北尾吉孝日記

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今私が懸念していることとして、一つ目は中国経済にミニバブルが発生していることです。以前ブログで指摘した通りですが(『中国の経済・金融情勢と世界経済』)、銀行の融資があまりにも不動産と株式投機に入ってしまいました。従って、これから中国政府が如何にしてこのミニバブルを破裂させないように着地させ本当の内需拡大につなげて行くのかを私は注視しています。

二つ目は米国の財政赤字、そして米国の長期金利が今後どうなって行くのかと言うことです。このことはドル基軸通貨体制の維持にかかわることです。具体的には2009会計年度で1兆5800億ドル(GDP比11.2%)、2010会計年度で1兆5020億ドル(GDP比10.4%)と見通されている巨額の財政赤字をGDP比で如何に早く下げて行くのか、あるいはより早く景気を浮揚させることでこれ以上の財政出動をしなくても良い状態にどう持って行くのか、あるいは昨今米国で大きな問題となっている医療保険改革についてどう決着をつけるのかということに注目しています。医療保険改革について言えば、共和党は財政負担の大幅増に繋がるとして前々から反対していますが、金融危機を克服するために積極的な財政出動をした後でもあり、今は改革を行うには丁度タイミングも良くはありません。このような米国の政治・経済の問題についても非常に注目しています。
それから今回の金融危機の発生源とも言える米国の住宅不動産問題については、販売、在庫、価格、住宅着工件数のどれもが好転し始め住宅市場がようやく底入れしたかと思われますが、それらの数字については今後も継続的にウォッチしなければならないと思っています。

三つ目は債券市場において日本国債の長期金利が1.340%(2009年9月17日)と下がる所まで下がっており、近い将来に反転して債券価格が暴落するのではないかと言うことを懸念しています。もしもこれが現実のものとなれば、金融機関が大量に保有している長期国債の価格が暴落し、多額の含み損を抱えることになりますので、債券市場の今後の動向は大変重要になってくると思います。これに関しても、今後注視していかなければならないと思っています。またこのことは、日本の円がどう動くかということとも関わっています。

そして、四つ目として一昨日誕生した日本の新政権の行方について、色々な意味で本当に大丈夫なのかと言うある種の不安感も持っています。「マニフェストに掲げている項目をきっちりと実行して行きます」と言うだけなら良いですが、そこから更に広げて国民経済的観点からマイナスの政策を次々と打ち出し始めたり、あるいは世界中から誤解を受けるようなことをし始めたら、その不安感が現実のものとなり、政権が崩壊して行く可能性もあると思っています。例えば、藤井財務相は為替介入をしないと発言していましたが、私も変動相場制の下で為替介入をする必要性は全く無いと考えていますので、それ自体は大いに結構なことだと思っています。しかし、藤井財務相は為替介入をするかしないかについて、公言する必要はないと私は思っています。このようなことを含めて、言う必要の無い発言により世界から誤解されたり、あるいは経済の攪乱要素にならないように政権運営に携わる方々には十分注意して欲しいと思っています。また今後の民主党の政権運営によっては警告を発する必要性が出てくるかもしれませんが、その場合は次の参議院議員選挙で絶対安定多数を与えるのかどうかが非常に重要になってくると思っています。従って、鳩山新政権については今後有権者が相当ウォッチして行く必要があると思っています。




 

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