北尾吉孝日記

『腹と頭について』

2009年11月4日 14:55
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昔は「あの人は腹の据わった人だ」とか「あの人は腹が出来た人だ」とか、要するに人の気力、胆力、度量というようなことで人を評価しました。ところが最近は「あの人は頭が良い」とか「あの人は頭が悪い」とか、そのようなことでしか人を評価しないような風潮があると私は思っています。しかしながら、大きな決断をする立場になればなるほど、あるいは大きな決断でなくとも、年が増し地位が増すという状況になればなるほど、段々と腹は大事になってくるものです。

例えば西郷南洲公と勝海舟について言えば、双方が大変な腹芸をしたことによって、江戸城の無血明け渡しが決められたわけです。この腹芸が出来なければ、すぐに戦争になってしまいます。最近私は若い人達に交渉を出来るだけ任せてますが、その経過を聞いていますと「まだまだ腹が据わっていないな」とか「そんな度胸の無い交渉をしているようではダメだな」とか、そのような印象を強く持っています。腹を鍛えるということは即ち自らの精神を鍛えるということで、そのような未熟な交渉は腹が鍛えられていないからこそ行われているわけです。

ではどのようにして腹を鍛えて行くのかと言えば、様々な艱難辛苦、喜怒哀楽を経験するのが一番ですが、補足的には精神の糧となるような書物を味読することが非常に大事であると私は思っています。そして、味読した後には日々の行動で実践し、知行合一的な修養を積むことで自己人物を練って行くわけです。そのようなことから腹というものが出来上がってくると思います。




 

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