北尾吉孝日記

『東洋の食文化について』

2009年12月4日 17:45
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『論語』の「郷党第十の八」に「色の悪しきは食らわず。臭いの悪しきは食らわず(色が悪く、悪臭のするものは食べない)」や「時ならざるは食らわず(時期外れものは食べない)」といった食に関する短い句があります。当たり前のようなことが書かれているわけですが、孔子はこのように食に対して非常に慎重でした。なぜかと言えば、中国では「医食同源」ということで、伝統的に医(健康維持管理)と食(食べ物)を密接に関連付けてきたということが一つあると思います。

この他にも中国には食物の世界にも「陰陽」という考え方があります。どういうことかと言いますと、例えば今は上海蟹のシーズンですが、蟹を食べるということは身体を冷やす働きがありますのでこれを陰とすると、陰のものを食べる時には同時に陽のものすなわち体を温めるものも食べて陰陽をバランスさせるという考え方のことです。だから上海蟹を食べる時には、まさに陽である生姜湯を飲んで陰と陽のバランスをとろうとするのです。このように中国人とは、食というものを非常によく考えた民族なのだろうと思われます。陰陽のバランスをとるということを伝統的に考えてきた民族としては、韓国人も挙げられるでしょう。日本にも寿司のような生ものを食べる時に、なぜわさびをつけるのか、なぜ生姜を食べるのか、そして、なぜ濃い日本茶を飲むのか-これはわさびや生姜には殺菌作用があるからですし、日本茶に含まれるカテキンにも殺菌作用があるからです。そのようなことを我々の先達たちは良く分かっていて、生ものを食べる時には体と味の両面から、様々な組み合わせを試行し健康的な料理を作り上げてきたということです。

このように東洋では伝統的に健康維持管理と食べ物というものを非常に大事にしてきました。我々日本人はその中でもずば抜けて健康に拘り且つ美味しい食物を追求してきた民族であります。その為我々日本人の平均寿命は他の先進諸国に比し圧倒的に高いのではないかと思います。




 

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