北尾吉孝日記

『デフレの怖さ』

2009年12月30日 13:25
この記事をシェアする

先月菅直人副総理・国家戦略担当相が「デフレ宣言」をしましたが、その後日銀はようやく重い腰を上げて新オペの導入を表明しました。

デフレという現象は「消費者物価などの一般物価が持続的に下落を続ける現象」のことで、「物価が下がることは大いに結構」と思われるかもしれませんが、デフレの怖さとは「所得が下がっていく」ということです。つまり一般の個々人の年収が下がっていく、大きく言えば国民所得水準が低下していくということです。名目賃金は下方硬直性があると言われていますが、年収に占めるボーナス等の特別給与のウェイトが大きく年収としては下がっています。また製品や商品の価格が低下すると、通常企業収益が圧迫され、これを通じて企業の設備投資やその他の支出が削減されマクロ経済にマイナスの影響を与えます。

ではこのようなデフレは一体何によって生まれてくるのでしょうか。それは所謂「需給ギャップ」と称される「需要と供給の差」、即ち需要が供給に満たない状況が続いているとデフレ状況に入るということです。日本はバブル崩壊以降、戦後先進主要国の中で初めてデフレを経験し、これが持続して未だデフレから脱却できていない状況にあります。現在の日本の需給ギャップがどのぐらいかと言えば、推計では大体7%程度と言われています。早いうちにこの需給ギャップを解消しなければ、雇用や消費が落ち込む状況が続き、いつまで経っても日本のマクロベースの経済は回復してきません。

ではこの需給ギャップをどのようにして埋めるのかと言えば、その処方箋は財政出動と金融緩和の二つしかありません。財政出動についてはこれまでかなり行っていると思われますが、金融緩和については本来なら大きく量的緩和すべき状況において日銀はどういう訳か非常に躊躇してきました。その意味で需給ギャップ拡大の責任の一端は日銀にあると言えますし、欧米の先進諸国に比べて日本の経済状況が際だって悪い理由は、日銀の政策スタンスにあると言えるのではないかと私は思っています。




 

(任意/公開)
(任意/非公開)



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.