北尾吉孝日記

『年頭挨拶』

2010年1月4日 11:25
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新年明けましておめでとう御座います。
 生憎、今年の正月三が日は西日本や北日本では天候に恵まれなかったようですが、多くの方は家族団欒の楽しい一時を過ごされたことと思います。
 さて吉例にならい干支から今年の年相を占いましょう。
 今年の干支は「庚寅」(こういん)です。
「庚」の象徴文字は杵(きね)を両手で持ち、ついている形です。従って、庚の原義は、杵を執って臼で穀物をつく事と考えられます。穀物をつくには、繰り返しつき続けなければなりません。そこに継続の意味が生じます。つけば穀物は変化するから更る、更新という意味も生まれてきます。後漢の班固の著した『白虎通義』にて「庚は物更(あらたまる)なり」とあります。「庚々」と言えば実る様を言い明瞭な変化の相です。
 また『礼記』の檀弓(だんぐう)下では庚を償(つぐな)うという意味に用いています。
 このように「庚」には①継承・継続する②更(かわ)る③償う、の三義があります。
 他方、「寅」は矢と両手からなる象形文字で、両手で矢すじをまっすぐに直して、伸ばしている形とみられます。また矢には矢が真っすぐに向こうに行くように、いつまでも変わることがないということから転じて「誓う」という義があります。ですから古代人は重要な約束ごとは矢を両手にはさんで誓いました。また「宀」(うかんむり)は建物、組織を表し、その中で人が差し向かいになっている象形だとも言われています。
 こうしたことから、「寅」には「慎む」、「約束する」、「手を合わせる」、「協力する」、「助ける」といった意があります。
 同僚で助け合うというところから同寅という熟語や寅亮という熟語があります。助け合って色々な妨害、公害を排除して行くので寅清という語もあります。そうした助け合いにより人間は進歩できます。それが「?」扁をつけた「演」(のびる)です。しかし、物事は進んでいる時に失敗したり、災害に遇ったりします。古代人はその恐るべきものを虎で表現した。『礼記』檀弓(だんぐう)下にある「苛政虎よりも猛(たけ)し」という言葉からわかるように昔はよく虎に食い殺されました。だから寅畏(いんい)という慎み恐れるという意の熟語があります。
 以上から庚寅の年には、我々は日本の歴史を振り返り、我々日本人の持つ美的特質を慎んで継承し、今日の風潮を深く反省し、旧来の悪しき惰性を排除するとともに停滞、怠慢を一掃すべく尽力しなければなりません。また眼前に起こり、変化しつつある事態を正しく認識し、志を同じくする者と協力しあい、更新すべきを更新し、前進すべき年であると言えましょう。

 過去の庚寅の年を振り返ってみましょう。
六十年前の一九五○年は朝鮮戦争が起き、日本の軍備を封じたGHQが日本の自衛を求めるようになり、警察予備隊(後の自衛隊)が設置され、海上保安庁の拡充がなされました。レッドパージが強化される混乱の中で朝鮮戦争特需景気がやってきました。また政界では社会党や民主自由党がそれぞれ左右に分裂するなど日本独立前の騒乱の年でありました。
 百二十年前の一八九○年、明治二十三年は、西洋化の進捗と共に国民精神の退廃傾向が強まり、明治天皇はそれを案じ「教育勅語」を発布しました。
政界も前年に大日本帝国憲法が発布されたこともあり、立憲自由党や国民自由党が結成される等、政界の動きも激しい年でありました。
両年とも今日の政情と似通った感があります。
 さて、こうした年相を踏まえ、我々SBIグループとしては、
第一に、全役職員が物事に対し恐れ慎む心を有し、様々な変化に戸惑うことなく平常心を持って冷静に判断・対処をする。換言すれば、グループ創業の精神を思い返し、十分にそれを継承し、ブレない判断をするということです。
第二に、グループ内の各社各層において協力一致し、シナジー効果を飛躍的に高めることに尽力する。
第三に、各社のリーダーシップをとるものは『易経』に「大人虎変し、君子豹変す」とあるように、社の全役職員が目を見張るくらいに自分の思想・信念・行動をはっきりし、下のものが一つのベクトルで進めるよう努めなければならない。
第四に、グループ各社において各人「虎穴に入る」気概を持ち、「虎視眈眈」と来たるべきアジアの時代を見据え、収益機会をつかむべし。
 以上、年頭の挨拶と致します。




 

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