北尾吉孝日記

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「平沼新党」をめぐる自民党のこれまでの割れ方について言えば、最初は「小泉郵政改革」の件で離党した平沼赳夫さんでした。この方は非常に保守色の強い右寄りの人で、中々の信念の人ですが、これまで新党を立ち上げるべく精力的に活動しておられました。次に離党した鳩山邦夫さんは基本的に誰からも相手にされてはいませんが、現職の国会議員が5名いなければ政党交付金が助成されないという意味で、平沼新党関係者からは唯の人数合わせ程度の男としてしか認識されていないのではないかと思われます。そして、先週離党した与謝野馨さんですが、彼は「政策通」とは称していますが、それ程政策通とは思えません。
平沼さんと与謝野さんに関して言えば、嘗て共に自民党に所属していたという広い意味では、政治思想についての共通性はあると言えるのかもしれませんが、その新党のビジョンやミッションといったものを本当に共有出来るのかということを私は気にしています。

そして、次は舛添要一さんの動きが一つ注目されますが、ある自民党の元議員は彼を「自分で実行しない人」「結論が出ない人」というようにコメントしていました。そのような意味で彼は、多くの批評家に「決断出来ない人」「何もかも決められない人」と評される鳩山由紀夫さんに似ている人とも思われます。この元議員のコメントが正しいのかどうかは分かりませんが、舛添さんが自民党を割りそうで割らないという状況が続いていることは事実です。
また、もう一つの焦点として自民党の若手が出て行くのかどうかということがありますが、河野太郎さんを幹事長代理に起用する等により、何とか若手を抑え込もうとしているのが現在の谷垣路線です。
何れにしても、自民党のこのドタバタ騒ぎを見ていますと、自民党の融解は今後更に加速して行くというように私は感じています。

他方、政権党である民主党に対しては、6日の日本経済新聞の「十字路」でも「鳩山政権、群雄でない割拠」として「閣僚の「割拠」は、裏返して言えば首相の指導力の欠如に他ならない。そんなていたらくだから、鳩山政権の割拠が、英雄が並び立つ様を言う「群雄割拠」ではないのは、いうまでもない。」と酷評されていましたが、ある時点から批判的な論調が大勢を占めるという状況が続いています。
ただ私はこの民主党について、夏の参議院選挙では過半数は無理としても、それに迫る議席数を確保出来るのではないかというように見ています。但し、その結果を得るかどうかは、以下の2つの行方次第という部分があると思っています。

一つ目は「民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢氏を不起訴とした処分の妥当性を審査している」検察審査会がどのような結論を出すかということです。
検察審査会においては「11人中8人以上の賛成で「起訴相当」と議決すると、検察は再捜査して原則3カ月以内に判断する」わけですが、「再捜査でも起訴しなかった場合に審査会が改めて8人以上の賛成で「起訴議決」となり、裁判所が指定した弁護士が検察官に代わって起訴する」というシステムになっています。
この検察審査会に関しては『選択』という情報誌(4月号)の「欠陥だらけの「検察審査会制度」-このままでは司法の「衆愚化」しかもたらさない」と題した記事で指摘されている通り、「昨年五月施行の改正法によって、二度の「起訴相当」が議決されると強制的に容疑者は起訴されることになった」ということや「法改正前ならまともに取り合わなかったような審査会の議決に法改正によって強制力が加わったため、検察は議決後三ヶ月で再捜査の結果を出すよう義務付けられた」ということ等々、様々な問題点を内包した制度であるとも言われおり、「市民が悪いと思えば起訴してしまえ、という論理」と「大手紙の司法キャップ」がこぼしているようです。
何れにしても、この検察審査会が市民団体の訴え通りの議決をし、小沢さんを再び起訴するということになれば、一波乱ある可能性があるということがまずあります。

それからもう一つは、「自民党時代に小沢氏らのグループの政治団体として発足し、小沢氏が自民党とたもとを分かった後も存続している」政治団体、「改革フォーラム21」をめぐって再び検察が動いてくる可能性があり、その取り組みが今後どのようになるのかということがあります。
要するに小沢さんは、政党が変わる毎に前政党に貯まっていた政党交付金を含む巨額の資金を持ち出し、政治団体を介在させた形で一種の資金洗浄をしていたのではないかというような疑惑で、例えば今年2月に不起訴処分となった不動産購入について資金洗浄をした結果ではないかというように関連付けて、検察が再び小沢さんを起訴に追い込もうとしているというようなことです。
また、今年1月に「体調不良」を理由に辞任した藤井裕久前財務相は嘗て自由党の幹事長を務めていましたが、藤井さんも上述したことに関連した部分でお零れを頂戴したとも言われており、彼の辞任も資金洗浄疑惑と関連があるのではないかという意見も聞かれます。

このように小沢さんをめぐる検察の追及は未だ完全には終わっていないというように見ている人もいるわけですが、実際にその通りであるとすれば、それが来る参議院選挙前に燻り出してくる可能性があります。もしそうなった時には小沢さんは辞めると思いますが、それ以外の事で辞める可能性は無いと私は思っています。
例えば、先ほど紹介した『選択(4月号)』にも「鳩山が描く「小沢辞任」シナリオ」等、色々と批判記事が掲載されており、様々な人が「英断」とか「けじめ」とかいう言葉で小沢さんに辞任を迫っているという状況ですが、私はどれ程の「小沢降ろし」が来ようとも彼は相手にしていないのではないかというように感じており、当面の辞任はあり得ないと思っています。
従って、小沢さんの辞任については上述した2つに関係することが表面化してこない限りは無いと考えられ、それが表面化しなければ、民主党は参議院選挙で過半数に迫る議席数を確保出来る可能性があると私は思っています。そして、選挙後には、例えば「みんなの党」を連立に取り込むという可能性もあると思いますし、あるいは以前ブログでも書きましたが、「公明党」を取り込んで行くという可能性は非常に高いと私は思っています。

小沢さんより、鳩山さんが辞任され、菅さんが総理になられた方が民主党の浮揚が確実なのではないかと思っています。鳩山さんが指導者たる人物とは程遠い存在であることが内閣支持率の低下の最大の理由だと私は思っています。ある調査で「次の総理は誰が適当か」という問いで、鳩山さんはたった5%しか支持がなく6番目であったということがこれを物語っています。




 

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