北尾吉孝日記

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先月下旬、厚生労働省は経済連携協定(EPA)に基づき受け入れたインドネシア人とフィリピン人の計3人が、EPAで入国した外国人として初めて看護師国家試験に合格したと発表しました。

少子高齢化に向かう日本は今後積極的に移民を受け入れ、日本で働く外国人を増やして行かねばならないと私は思います。例えば香港ではお手伝いさんが殆どフィリピン人で、休みの日には多数のフィリピン人が公園で屯して意見交換会のようなことをしていますが、日本はと言えば、介護や掃除を頼もうと思っても若い人は殆どおらず、大体60歳以上の人しか見当たりません。そのような状況であるにも拘らず、日本で働きたい沢山のフィリピン人にビザを与えないという方針を採っているわけですが、なぜそのようにしているのか私には不思議でなりません。日本は最早そのような時代遅れのことをしている状況ではなく、未だ鎖国が続いているかのような雰囲気を醸し出す排他的な島国根性的部分を一掃すべきだと思います。私は10年以上海外に住んでつくづく思いますが、日本はもっと外国人を受け入れるインターナショナルな国になるべきです。

要するに何でもそうですが、単一組織体というものは弱いのです。例えば、一国の中で長い年月を掛けて伝統的に純粋培養された文化と、多様な要素が混じり合い、そこで切磋琢磨し合うことで培養された文化を比べた場合、どちらが強いのかということです。東大法学部ばかり集めた官庁一つを見ても、様々な問題が露呈しているという状況なわけです。そのようなことを鑑みますと、やはり出身国や性別等は基本的には関係無しに、海外の色々な人材を日本に集めるということにこそ、大きな意味があるのではないかと私は思っています。

中国の古典の中には孟嘗君(もうしょうくん)という食客3000人を養っていたと言われる人物がいますが、彼は誰も拒まず受け入れていたので、彼の周りには、例えば耳が恐ろしく良い人や鶏の鳴き真似が物凄く上手い人等々、多種多様な人材がいました。そして、ある時は耳の良い人が敵が追って来ていることを孟嘗君に知らせ、またある時には鶏の鳴き真似をすることで鶏の声を合図に開かれる関所の門を開けたというように、食客を上手に使うことで何とか難を逃れたというような逸話があります。天は人間夫々に色々な能力やミッションを与えているわけで、やはり様々な人間が集まり、皆で天から与えられたものを上手く活用して行くという姿勢が無くてはならないと思います。

そのような意味で政治体制について言えば、貴族だけが政治に携わるというようなことでは駄目で、やはりどのような身分の者でも優秀な人は下からでも這い上がれるような状況を必ずどこかに作っておかなくてはなりません。例えば、英国は未だ貴族階級というようなものがあり、そういう意味では階級社会の側面を残した社会ではありますが、炭鉱夫の子でもオックスブリッジに行けるというような部分は確りと残しています。色々な人間が集まってはじめて国というものは強くなるということです。

米国という国は最早停滞した国であるというようなことを言う人もいますが、移民政策によって人口が増加していることを考えますと、停滞した国ではないのです。また中国も近い将来少子高齢化になると言われていますが(中国の人口は、2010年の13.5億人から2030年には14.6億人に増加するが、その後減少局面を迎えると言われている。また、中国の人口に占める65歳以上の比率については、2010年:8.2%、2030年:15.9%、2050年:23.3%という形で進むと予測されている)、中国がこれから更に豊かな国となり、現在の一人っ子政策を完全に撤廃するとなれば、その状況は直ぐに一変するでしょう。

そのような中で日本は移民政策にも積極的に取り組まず、出生率を向上させる人口増加策についても有効な手立てが取れずにいますが、やはり経済成長率の基盤は人口増加率と生産性上昇率(日本の非製造業における生産性の低さについてはこちらをご参照ください)ですので、如何に人口を増加させるのかということについて何らかの布石を打たなければなりません。民主党の目玉政策の一つである「子ども手当」というようなものは、出生率に一定の効果をもたらすとは考え難く、恐らく殆ど相関しない政策ではないかと私は思っています。このような政策を採るというよりもむしろ、例えば「子どもを確りと安全に預かるような保育所をどのように整備するのか」とか、あるいは「生まれた子ども1人当たり何歳まではどのように支援するのか」というような手立てを講ずるべきです。どのような政策を実施すれば親が出産しようという気持ちになるのか-民主党は再考し、議論を重ねるべきではないでしょうか。





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  1. ほぼ、はじめまして。
    土居と申します。

    twitterで、北尾社長のフォローをしており、リンクでこちらを読みました。
    日本は、ゆっくり沈没している船ではないでしょうか?
    それを食い止める荒療治として、移民受入政策があると存じます。
    もっとも、体制側(政府というよりも)の方は国民の管理ができなくなるし、北朝鮮が何をしでかすかわからないから外国人受入は極めて緩やかな方法でなければ難しいのでしょうけど。
    誰もが日本の終結を感じたとき、初めて移民政策が受け入れられるのでしょうね。

    まだ40歳の私は、非力ながら沈みゆく船の穴を何とか防ぐべく努力しています。本当に非力ですが。

    北尾社長の、今後のご活躍にご期待申し上げます。

  2. 少子高齢化社会の日本ではこの先外国人の受け入れを拒んでいては国がもたないとの認識を強くもつ今日。鎖国以上の島国根性はいったいなんの利益をもたらすのか。子供・孫の世代のことを考えれば、医療・高齢者対策・製造業でも外国人受け入れは必須にことに思える。北尾吉孝氏の言われることが正当だと思う。
    先進諸国にて日本ほど外国人を排斥している国はないのではないか。将来の日本を考える時外国人の受け入れは必須と思う。

    文化芸術東京主宰 川上行人
    http://cultureartmusic.rakurakuhp.net

  3. 初めまして。
    直接コメント失礼します。
    どうなんでしょうか。
    国語や文化の違いは、大きなブレーキになると思います。サービスを受ける側と与える側に十分な意思疎通が図れるかどうか。
    また、外国籍の方が、それで十分な生活が日本で出来るか。税金で支援がまわるとなると、またそれも、本末転倒な部分を感じます。
    門戸を広げるのはよいのですが、国民がその支援に耐え得るか。また、それで国が栄えるかどうか。
    介護医療も早急な問題ですが、なかなか、諸外国の人材を頼む一つを見ても、国の仕組みが未熟な気もします。

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