北尾吉孝日記

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「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」に「グリーンスパン前米FRB議長、将来的な危機の可能性を警告」という見出しの記事がありますが、記事によれば彼は「どのような金融機関も大き過ぎて、もしくは相互関連が強過ぎて清算できないとか破たんを容認できないという概念を排除する努力を支持した」ということです。

「リーマンショック」の前と後でグリーンスパンに対する評価は180度転換しましたが、歴史上これ程までに評価が変わってしまった中央銀行総裁は恐らくいないのではないでしょうか。「リーマンショック」前は「マエストロ」等と崇められていた彼ですが、「リーマンショック」後には、その金融危機の殆ど全ての責任者というようになったわけです。
この記事にあるように彼の主張は「警告」というように評されるわけですが、私はそもそもこのような人はもう何も話すべきではないと思いますし、上述した「概念」の「存続を容認できない」というようなことを今更述べてどうしたいのか、私には理解し難いものがあります。
彼は、FRBがFOMC(2004年6月~2006年6月)ごとに0.25%ずつ利上げをしたにも拘らず、米国の長期金利が低位安定したという現象を「謎(conundrum)」と呼びましたが、その世界というものについて彼は「謎」と指摘する以外、基本的には何もせず、未だその「謎」は完全に解明されていないという状況です。まずはその世界についての解明を進めるべきではないかと私は思っています。

私に言わせれば、彼をあれ程までに評価した人達も悪いと思います。結果的に見れば、「グリーンスパンという人は、結局何をしていたの?」という評価になるわけで、そのような意味では一人の人間を余りにも評価し過ぎて「神」であるかの如く持ち上げ、その「神」がすることは全て正しいかの如く認識すること自体が、私は非常に危険なことだと思っています。従って、やはりこのような地位にある人間は余り長く務めさせるべきではないと思いますし、特に金融政策の舵取りをするような人間の任期については、最大で4年間が限界ではないかというように私は考えています。
なぜそのように考えるのかと言えば、その一つに在職期間に成功体験があった場合、それに固執したり、世の中の変化というものを感じなくなったりするというようなことが往々にして起き易いからです。ちなみにグリーンスパンまでの歴代FRB議長の平均在職期間がおよそ7年である一方、彼はその2.5倍以上の18.5年務めました。
彼の在任時の米国経済は確かに上向いてはいましたが、そのような繁栄の中で様々なリスクが出て来ているという部分があるわけで、そのような意味でやはり一人の人間にこのようなポストに4年以上務めさせないようにするということが非常に大事であると思っています。今回の金融危機で学ぶべきは寧ろそういうことであり、上述した「概念」の「存続を容認できない」という彼の発言はナンセンスで、そもそも清算や破綻という状況に行くこと自体を抑えることが重要なのです。グリーンスパンもいよいよボケ始めたのでしょうか(笑)

「敗軍の将は兵を語らず」と言いますが、金融危機の責任者というレッテルを貼られた今、
彼は隠居でもしていれば良いのではないでしょうか。発言を重ねれば重ねるほど、彼は晩節を汚すことになるということだと私は思っています。




 

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