北尾吉孝日記

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本日の日経新聞一面では、「英が財政緊縮策 赤字、5年でGDP比1%に」という見出しで英国政府が発表した財政再建策の骨子について触れられていました。

記事によれば、英国は「2015年度までに財政赤字のGDP比率を10.1%から1.1%」に下げるということですが、この動きは英国だけのことではなく、例えば、米国も2013年1月までに財政赤字を半減させるという明確な数値目標を出していますし(※1)、日本も菅政権の中で財政緊縮に動き出してきています。

昨日の英国議会において、オズボーン財務相は「ユーロ圏の財政危機が赤字削減を急ぐ重要性を示した」と述べたそうですが、「ギリシャ危機」の後、欧州諸国でそのような意識が急速に醸成され、それが世界中に伝播して行きました。
そして、世界経済は「リーマンショック」後に敷かれた一時期のケインジアン的財政支出を是とする景気刺激型の体制から、今度は一挙に財政抑制型に変わりつつあり、折角上昇を始めた世界経済が失速する可能性もあり得るのではないかというように私は大変危惧しています。
実はこのことも先達て私どもがファイナンスをあのタイミングで決めた理由の一つであります。

イグジットの問題については、以前このブログで「世界各国が2010年のどのタイミングでどのような形で出口を見出して行くのかということが、非常に重要な意味を持ってくる」と述べましたが、所謂「PIIGS問題」というものは、ソフトランディング的なイグジットをさせないで、ハードランディング的な形で一挙に進めて行かせるというようなことになりつつあります。
また、特に欧州諸国では政権交代が起こったこともあり、そのような体制を敷くような気配が感じられますが、一国にとって正しいことが世界全体にとってはマイナスになるという所謂「合成の誤謬」と経済学の世界で言われることが起こり得る可能性があることを私は非常に懸念しています。

もう一つ危惧していることは、EU加盟各国で既に基本合意されている銀行税導入の動きについてです。
昨日、英仏独の3国は協調して銀行税を先行導入する方針を明らかにしましたが(※2)、今後G20で合意がなされ、銀行及び金融機関に対する税の強化という形になって表れてくれば、世界中で金融の世界が急に縮小してくる可能性があると思っています。
このことも今回あのタイミングでファイナンスをした一つの理由であります。

今回のファイナンスに関する大きな根本的な理由は一昨日書いた通りですが、上述したような考えも実は私の頭の中にはあったということについて、本ブログではご紹介しておきます。

関連記事
「出口戦略」に関する動向と世界経済情勢について
今回のファイナンスに関する経緯と御礼

参考
※1:SBIマネーワールド対談企画第五弾 北尾吉孝×勝間和代
※2:英・仏・独、G20会合を前に銀行課税導入案を発表




 

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