北尾吉孝日記

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株式会社東京証券取引所(以下、東京証券取引所)は先月26日、「取引時間の拡大に関するディスカッション・ペーパー」を公表し、来月10日まで「(1)昼休みの撤廃、または短縮(2)現物市場における夜間取引の導入(3)デリバティブ(金融派生商品)市場における終了時間の延長(4)午前の取引開始時間の前倒し」について意見を募集しています(※1)。

東京証券取引所の取引時間延長の議論は10年程前からあるものですが、私は大きく言って2つの理由から基本的には延長に賛成の立場です。
まず一つ目は、SBIジャパンネクスト証券株式会社の運営する株式の私設取引システム「ジャパンネクストPTS」にポジティブな影響を齎すかもしれないと考えているからです。と言いますのも、東京証券取引所が開いている時にはジャパンネクストPTSとの間でいわゆる「最良執行(どの市場で取引すれば最も有利かをシステムが瞬時に判断し、最も有利な市場を選んで自動的に売買を執行すること)」がなされますので、その時間帯の方がジャパンネクストPTSの商売の規模が明らかに大きいということがあります。
二つ目として証券会社にとっての意味合いを考えた場合、取引時間が延長されることでコスト負担に繋がって行くということは恐らく間違いないとは思いますが、そのマイナス要素を補って余りあるだけの売買高の増があるかどうかが判断のキーとなります。現況においては売買高自体が余りにも少ないため、取引時間を延長するとしても、このようなタイミングを敢えて選ぶ必要はないと思います。全ての事はタイミングであって、そのタイミングを一番悪い時に合わせる必要はないということです。

凡そ1年前にスタートしたプロ向け市場「TOKYO AIM」について、私はこれまで様々な観点から批判的な意見を述べてきましたが、悪過ぎるタイミングもその一つです(※2)。マーケットというものはある意味シンプルで、状況が悪い時にはどれだけの取引時間があろうとも、それに応じて参加者が増えるというものではありません。東京証券取引所は年内に取引時間の延長について結論を下すということですが、もし延長すると決めた場合はTOKYO AIMの現況に鑑み、是非適切なタイミングで実施してほしいものです。

参考
※1:http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100726/fnc1007261557018-n1.htm
※2:http://www.sankeibiz.jp/business/news/100601/bse1006011719004-n1.htm




 

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