北尾吉孝日記

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一昨日、中国人民銀行は2007年12月以来凡そ3年ぶりに「1年物元建て貸出金利を5.31%から5.56%、1年物預金金利を2.25%から2.50%にそれぞれ引き上げると発表」しました。

今回の利上げについては様々な見方が報道されていますが、私はインフレを阻止するために上げざるを得なかったということが表面的な理由であると考えています。本当の理由は為替をどうしても元高にしたくないという世界に対する意思表示をしたということでしょう。なぜなら、インフレ阻止のために最も有効な措置は為替政策により元高にして行くことであり、従って、まずは為替政策を実施し、その後に必要であれば、今回のような金利引き上げを考えるべきであるのは常識だからです。

元を強くすることによって全ての輸入物価を下げるということが、言うまでもなくインフレ対策として最も大事なことの一つであります。
今の中国経済を考えてみますと経済成長率は非常に高いように見えますが、今後内陸部における本格的な経済成長を支えて行かなければならない中で、余りにも早くから金利を引き上げるのは中国経済の今後にとって良くないと思います。

「利上げにより(中国への)資金流入が見込まれ、その結果、人民元相場の上昇が予想される」というような見方をするエコノミストもいるようですが、元高誘導を金利操作で行ったとしても、政府が為替をコントロールしている限り、そのまま上昇して行くとは言えないわけです。
従って、まずは政府が為替管理を段階的に止めてワイダーバウンドに移行し、通貨を弾力化させて行くということが無ければ駄目であり、今回の利上げのようなある種のまやかしはすべきではないというように私は思います。

また世界各国の対中貿易が大幅赤字になっている中で、米国等々から苦情が寄せられているわけですから、それに対しては為替で応えるのが本来の筋であります。
利上げを実施するということであれば、勿論為替に対しては上昇圧力が強まりますので、今回の利上げにより通貨の切り上げを実施しないのではないかという懸念が寧ろ高まってしまっているわけです。
従って、上述した通り、まずは通貨の弾力化を実施し、それでもインフレが収束しないということであれば、必要に応じて金利を操作して行けば良いと思いますが、今の中国は未だそのような時期ではないというように私は考えています。





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  1. 違う気がする。
    為替は動き出していますし、金利は実質マイナス金利が続き5中全会無事終了でやっと上げさせてもらったというのが真相では。



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