北尾吉孝日記

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前回のブログで『森信三ノート(仮)』を株式会社致知出版社から出版する予定であると述べましたが、そのために森信三という日本が誇るべき偉大な哲学者であり、教育者である素晴らしい人物の全集で手に入ったものを悉く読みました。
森信三全集に非常に沢山の著作が含まれています
その中で私はもう一度『森信三全集続篇』(全8巻:昭和58年出版)に目を通しました。
森先生の全集『森信三全集』(全25巻:昭和40~43年出版)を読むというよりも、私は全集続篇を読む方が良いと思っています。
と言いますのも、全集続篇には正に森先生が提唱していた全一学の体系というものが全て載っていますが、全集には載っていないからです。
従って、そのような意味では全集続篇を読むことの方が良いと私は思っているわけです。

『森信三全集』は当初1200部程度しか出版されていませんので、現在手に入れることはほとんど出来ないので、図書館でしか読むことが出来ません。
上記全集続編も含めこのような書物は全て古本屋で買うわけですが、私はずっと前から「『森信三全集』全25巻を絶対に買いたい。もし手に入るようなことがあれば、直ぐに教えてください」と古本屋に伝えていますが、もう二十数年来連絡はありません。
要するに1200部程度しか世に出ていない書物は、中々手に入らないということです。
今手元にある全集続編は古本屋で買ったものですが、上述の通り昭和58年に出版されたものですので、これから手に入れようとしても殆ど不可能でしょう。
また森信三全集というものが再出版されるのかと言えば、やはり採算ベースには乗らないと思われますので、恐らく出版社は今後もこのような書物を世に出して行くということはないと思います。

このような状況を目の当たりにしてつくづく思うことは、森先生のような偉大な人物の本が身近に読めないのはやはり非常に残念なことであるということです。
従って、これまで私は社会貢献事業として、本年3月に公益財団法人に移行したSBI子ども希望財団や、あるいは私の個人的な寄付により埼玉県嵐山町に設立した社会福祉法人慈徳院(こどもの心のケアハウス嵐山学園)という情短施設(情緒障害児短期治療施設)等に対して、相当な資金援助を行ってきましたが、やはり森先生のような素晴らしい人物の本を再び世に出して行くということも一つの立派な社会貢献事業ではないかというように最近思っているわけです。
くだらない贅沢に一切無駄なお金を使わないということを私は再び固く心に誓い、社会貢献活動の一つの在り方として、この森信三全集というようなものを世に出し、現代の若者達に読ませる必要があるのではないかというように今回つくづく感じたわけです。
現在、安岡正篤先生の多くの本は割合身近に読むことが出来ますが、森先生の本は『修身教授録』だけしか読んだことがない人がほとんどでしょう。ですから、森信三の哲学体系としての全一学五部作を出版していくということや、あるいは出来れば上記全集続編全8巻を出版するというようなことは絶対に必要であると私は強く思っています。

著作家、あるいは学者等の物書きというものは、これから70歳は当たり前のこととして80歳になっても結構活躍出来る世界であろうと私は考えています。
例えば上記全集続編にも書いてある通り、『善の研究』で有名な京都大学教授の西田幾多郎という哲学者は7割方の本は還暦を終えてから執筆しているという具合ですし、森先生は80歳を超えてからその全集続編を執筆し、新たな学問体系を樹立して行ったわけです。
80歳でこれ程のものを書くことが出来るというのは中々信じ難いことですが、やはり長く生きている人はそれだけ経験豊富なわけで、そのような人が書いた味のある文章というのは本当に素晴らしいものであると私は感じています。
そして、長い間生きているが故に人生観、世界観というものに変化が起こるわけで、例えば、森先生の人生観、世界観についても10年毎にどんどん変わって行くという具合です。
孔子は「吾十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。(私は十五歳の時学問に志し、三十歳にして学なって、世渡りができるようになった。四十歳で事の道理に通じて迷わなくなり、五十歳にして天命の理を知った。六十歳では何を聞いてもその是非が判別でき、七十歳になった今は思いのまま振舞っても道をはずさなくなった。)」と述べていますが、残念ながら彼は80歳を生きていません。
もし80歳まで生きたならば孔子は何と言ったのか非常に興味深いわけですが、このような偉大な人物は長く生きれば生きただけの素晴らしいことがやはり余計あります。





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  1. お気づきとは存じますが、電子出版です。森先生の思想を広く伝える目的のためならば、関係者のご理解を得られるのではないでしょうか。

  2. 「森信三に学ぶ人間力」買いました。森先生の全一学が読み解きたくて「全一学ノート」に取り掛かったのですが、何がなんだか意味がわからず、北尾さんの本を読んで少しだけ理解できつつあります。万人に分かるようにと言う哲学論とのことですが、本当にむずかしいです。
    まだまだ、理解の範疇に到達できません。なにより、なぜ腰を立てたら宇宙がわかるのか?私の知人ですごく姿勢のいい人がいます、まったく腰が曲がりません。その人は身と心が一体となっているのでしょうか?とてもそんな風に思えない人物です。そんな幼稚な発想しかできない私ですが、学生時代(神戸海星)は森先生から直接学んでいます。
    貴重な体験をしていながらまったく生かせていない自分に腹立たしく 今一度学びなおしている最中です。

  3. 「森信三に学ぶ人間力」拝読しました。素晴らしい内容に感動しました。全一学の入門書として広く読まれることを願っております。私も『森信三全集続篇』を昨年ようやく入手し、貪るように読みました。疑問に思っていたことや求めていたことが読むほどに氷解して行きます。感動的です。一生読み返すであろう数少ない本です。今の日本にこそ必要な内容だと思います。紙での発行は現実的でないでしょうから、電子書籍でも構いませんから、是非復刊していただきたいと思います。私も微力ながら、森先生の全一学を少しでも啓蒙して行きたいと思います。

  4. 全集続編の発行を何卒宜しくお願いします。

  5. >中尾哲也 様
    全集続篇全8巻が、致知出版社より今秋復刊される予定です。
    私は自腹を切ってそれを購入し、主要な図書館に寄贈したいと思っています。

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