北尾吉孝日記

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「北朝鮮砲撃事件」に関して連日報道されていますが、私は今回改めて北朝鮮という国に対しては常識的な考え方が通用しないということを再認識しました。
確かに南北朝鮮間は戦争状況が一応休止しているだけで未だ領土問題も片付いてはいないことから今回のようなことは常に起こり得ると言えるのかもしれませんが、北朝鮮の蛮行を見るにつけ一体何を考えているのかというように感じています。
現在に至るまで日米韓等の関係各国は「緊密に連携して対応することを確認」するというような調子ですが、そのような連携自体は北朝鮮に対して何ら拘束力は無く、殆ど意味の無いことではないかというように私は考えています。
本件については一刻も早く国連安全保障理事会に載せるべき事案で、そのことに対して過度に慎重になっていても仕方がないというように思います。
そして今回北朝鮮は、ある日突然民間人が普通の生活を営んでいる場所に100発以上の砲撃を行っており、そこには大義というものが全く無いわけで、中国にしろ、ロシアにしろ、大義の無い北朝鮮を何時までも庇おうということでは人道的な見地から見ても明らかに問題であると言わざるを得ません。
今年3月に起きた「韓国哨戒艇沈没事件」において韓国政府は「安保理での協議を要請したが、中露が慎重な姿勢を見せるなどして制裁決議を得られなかった」わけですが、中国政府が北朝鮮に対して「慎重な姿勢」で事を荒立たせないような対応をし続けているがために、このような短期間で再び事件が起こってしまったということもあるわけです。
中国が世界の中で本当に指導力を発揮して行く大国になるためには、やはり正義や大義というものを貫いていく姿勢が重要であり、今回の事件のように誰が考えても北朝鮮に正義も大義も無いということが明らかな状況においては、中国政府としても北朝鮮に対する非難を明確に表明し、国連安全保障理事会での北朝鮮に対する厳しい処分に対しても中国は賛成する意向であるということを当然表明すべきではないかと思います。
北朝鮮をそこまで追い詰めてしまえば、更なる暴走を招き事態は危機的状況に陥るというようなことを主張する人もいますが、そこまで追い詰めなければ北朝鮮は本当に分からないと思いますし、分かっていないからこそ今回のような事件が再び起こってしまうのであろうと思います。
従って、今後世界は国連安全保障理事会において然るべき処置を取るべきですし、そのような世界の動き対して中国やロシアが北朝鮮を守るようなことはすべきではありませんし、中露がそのような動きを見せるということであれば、世界中からその可笑しさを指摘するように米・日・韓が国連に働きかけるべきだと私は考えています。
先日のブログで述べた通り、イラク戦争について考えた場合、イラクは一貫して大量破壊兵器の保有を否定し続けていましたが、米国はそれを保有しているに違いないと一方的に決めつけて音頭を取り、英国や日本等の国々がそれに乗っかる形でイラクという国に攻撃を仕掛け、その結果非常に多くの人の血が流れ、今日でも流れ続けているというような状況です。
上述の通り、イラクのように大量破壊兵器を保有していない国ですら滅茶苦茶な状況にされたからというわけではありませんが、北朝鮮のような狂った国が核兵器を保有しているということが国際社会にとってどれ程の脅威であるかということをやはり世界中は明確に認識し、場合によっては何らかの武力行使も含めて毅然とした対応をとるべきであると私は考えています。
武力行使という形で応じることがなければ、少なくとも北朝鮮という国は何も分からないのではないかという気がしています。相手が北朝鮮のような狂った国で何を仕出かすか分からないという意味で対応が難しい面もあることは理解出来ますが、場合によっては上述したようなことも実行に移して行くべきではないかというように私は考えています。

日本の安全保障環境について言えば、例えば本年「日米安全保障条約改定50周年」という節目において、特に「普天間基地移設問題」に関する鳩山政権の愚かな対応により米国の日本に対する信用を大きく損ない、そして菅政権になってからもこの問題がどうなって行くのか分からないというような有様で、日米関係は大変厳しい局面を迎えています。
上記ブログでも先日触れましたが、このように箍が緩んだ所に中露につけこまれあのような尖閣諸島問題や北方領土問題が発生してくるわけで、やはり上記基地問題に一刻も早く決着をつけ、日米関係というものを再構築して行かねばならないでしょう。
そして日米安保について更に言うならば、今日までは何か十分に機能してきたというようにも見えますが、日本の国防を真に考えた場合、これまでのように日米安保に過度に依存して行くだけの体制で本当に良いのかということについて、日本人は今一度考えてみる必要があると思っています。
「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るるものは必ず人に諛(へつら)ふものなり」と福沢諭吉は『学問のすゝめ』で述べていますが、正に日本はこれまでずっと米国を恐れ、米国に諛ってきたわけで、将来を考えるにやはり独立自尊ということが必要な時代になっているのではないかと私は認識しています。
戦後日本が独立国として実際どのような状態であったのかについては、小生が以前書いた『人物をつくる―真の経営者に求められるもの』(PHP研究所)という本の中で、イラク戦争を例に述べていますので、兵に関する考え方と共に下記引用してご紹介します。

【よくご存知のように、戦後、日本の安全は日米安全保障条約のもとに、アメリカの「核の傘」の下で守られるという状態がずっと続いています。
従って、「もしアメリカがイラクを攻撃するということになれば、日本はアメリカを支持しなければならない。そうでなければアメリカは日本を守ってくれない」と言われます。
しかし、当然ながら日本は独立国です。その独立国が、国際社会の大多数が反対する戦争であるにもかかわらず、そのような理由でアメリカを支持しなければならいと言うならば、これははたして独立国と言えるでしょうか。
国家の独立とは、その国家に属する国民の自由な意思で、国家の行動が選択され、決定される状態ではないかと思うのです。
私はそのような状態こそが「独立国」と解釈しています。しかし、振り返って、現在の日本を見ると、残念ながら、そのような状態になっていないのです。】
【単に「アメリカに守ってもらっているから、アメリカを怒らすわけにはいかないから支持するのだ」ということでは、独立国家として甚だ疑問であります。
『老子』には、「不争の徳」、つまり争わない徳という言葉があります。
とにかく何でも戦おうという姿勢は良くないということです。
あるいは、「兵は不詳の器にして、君子の器に非ず、巳むことを得ずして之を用ふ。恬淡なるを上と為し、勝ちて美とせず」という言葉もあります。
本当にやむを得ないときにしか兵は使ってはいけませんという意味です。
さらに、『孫子の兵法』にも、「百戦百勝は、善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」という言葉があります。
要するに、戦わずして勝つということです。そのような努力を最大限にしなければならないと私は思います。】

私の兵に関する考え方は上述した通りですが、その意味するところは兵を持ってはいけないということでは勿論ありません。
日本の抑止力の強化という観点からも、あるいは万が一の有事に備えるという観点からもそれなりの軍備の増強を図り、例えば北朝鮮に対する万全の備えをして行くことは必須であると考えています。
嘗てフランスのシャルル・ド・ゴール将軍は「米国が自国民を犠牲にしてフランス国民とフランスの領土を守るとは思えない」というように述べたと言われていますが、私もその通りではないかというように思います。
日本という国、そしてその文化、伝統、歴史を守って行くのは日本人しかないと考えており、やはり自分の国は自分で守るというような気概が必要ではないかと強く感じています。
何れにしても今回の「北朝鮮砲撃事件」を通じて、国防というものを日本人全体が再考しなければならないのではないかというように私は思っています。





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  1. こんにちは。興味深く拝読させていただきました。日本の独立自尊については、同感です。

    さて、北朝鮮の砲撃を受けて、韓国の延坪(ヨンピョン)島では、週末28日に行われる米韓軍事演習を前に再び緊張が高まっています。
    北朝鮮は、朝鮮中央テレビなどを通じて28日の軍事演習について、戦争への瀬戸際へとさらに突き進んでいると非難し、けん制しました。

    中国外務省の洪磊副報道局長は25日の記者会見で、北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃を受け、黄海で28日から予定する米韓合同軍事演習について懸念を表明しました。

    「関係国が地域の平和と安定に役立つことを多く行うよう希望する」と強調した。

    北朝鮮も韓国も引くに引けない状況のようです。

    11月25日の産経ニュースから

    北朝鮮が中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程約3千キロ)の発射実験を数カ月以内に実施しようと準備を進めていることが24日分かった。
    朝鮮半島情勢に詳しい情報筋が明らかにした。
    北朝鮮は10月の軍事パレードで、ムスダンとみられる新型ミサイルを登場させたが、これまで発射実験は行っていない。
    実験によって実戦可能であることを“宣言”するとみられる。
    北朝鮮軍による韓国国内への砲撃で、朝鮮半島情勢が緊迫化しているなかでの弾道ミサイル発射準備は、北朝鮮のさらなる挑発行為といえる。
    ムスダンは在日米軍基地が集中する沖縄まで射程圏に収める。
    北朝鮮で核弾頭を搭載するミサイルはムスダンが最初になるともみられている。
    北朝鮮はこのほど米専門家に寧辺(ニョンビョン)の新たなウラン濃縮施設をみせており、ムスダンの発射実験はウラン濃縮とも密接に関係しているといえそうだ。
    同筋によると、発射は北朝鮮との間でミサイル開発で協力関係にあるといわれるイランとの間の共同作業で進められ、実験結果に関する情報などは両国で共有するという。

    中距離弾道ミサイル「ムスダン」は核の搭載が可能で、射程距離は日本の領土がすっぽりカバーできるミサイルです。

    金正日の目的は、話し合いのテーブルにアメリカ・韓国・日本をつかせて外貨を引き出すことです。

    それだけ、経済制裁で北朝鮮が追い詰められているのでしょう。

    では、アメリカ・韓国・日本を話し合いのテーブルにつかせて外貨を引き出すことですのために、効果的なミサイル攻撃目標は?

    そう考えると、一般人の被害が少なく軍事施設などで、アメリカ・韓国・日本への心理的ダメージが大きいところ・・・。

    例えば『竹島』が次なるターゲットの可能性もあると考えられます。

    または、韓国の別の離島か、日本の離島もありえます。

    いずれにしても、韓国とアメリカが軍事演習する28日に北朝鮮は、次なるアクションを起こしそうです。

    平和ボケした日本の政治家と官僚では、あまりにも危機管理意識が低すぎて、話になりません。

    国内テロも含めてあらゆる可能性で、危機管理するのが当たり前ですが、反日活動家議員で国家公安委員会委員長の岡崎トミ子は、23日の北朝鮮から砲撃のあった日に、警察庁に一度も登庁しなかった。

    無責任極まりない。

    国民の安全は、反日国家公安委員会委員長では、日本国民の安全は守れない。

    また首相は「迅速な対応が取れた」と胸を張ったが、政府が砲撃を把握してから70分以上も 首相官邸には政治家が不在。

    陸海空自衛隊の首脳も含め国防に関する重要事項を 議論する安全保障会議を開こうとしなかったことも、政府の危機管理意識の薄さを浮かび 上がらせている。
     
    一番大事な初動の70分間官邸は空っぽだった・・・。

    致命的です。

    益々、日本国民にとって、危険な内閣だし危険な政府です。



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