北尾吉孝日記

『忘年と新年の意味』

2010年12月20日 15:21
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師走も半ばを過ぎますと「忘年会をしませんか」と様々な所から声が掛かってきます。
忘年会と言いますと、一年の出来事をパッと全部忘れてお酒を飲み交わすというように「年忘(としわすれ)」として捉えている人が大多数であると思われますが、その認識は間違っています。
「忘年」とは「長幼の序を忘れる」「年齢を忘れる」というのが本当の意味であり、『後漢書』の禰衡(でいこう)の伝記に下記故事がありますが、つまりは歳の違いを忘れて親しくするということなのです。

【「禰衡逸才(いつさい)有り、少(わか)くして孔融(こうゆう)と交わる。時に衡未(いま)だ二十に満たず、而(しこ)うして融は已(すで)に五十、忘年の交を為(な)す」(禰衡は人並みはずれた才能があった。年若くして孔融と交わった。その時、衡は20歳にならなかったが、融はもう50歳だった。二人は忘年の交わりを結んだ)】(※1)

即ち、例えば老人と20代、30代の若者が世代を超えて友情を持つというようなことを「忘年の契り」というわけですが、世代を超えた友情を築くのが忘年会の本来の姿であるということを心に留めておくべきだと思います。

それからあと2週間程で新しい年を迎えるに当たり、新年の「新」という字についてもその字義を説明しておきます。
新という字は「辛」「木」「斤(斧)」という3つの漢字が集まったような文字であり、要するに辛抱して木を斧で削り、有用なものを創り出して行くというところに原義があるのです。
それ故「新年」というのは辛抱し、苦労して、今までに無かった新しいもの、そして世に有用なものを創り出すという意味になるわけです。
従って、やはり新年を前にして上述したような漢字の本当の意味を噛み締めながら、自分のすべきことを考えなくてはならないということです。

参考
※1:忘年之交(ぼうねんのこう)





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  1. 北尾氏の博学であることは承知しておりましたが、今日「忘年」の本来の意味を知りいい勉強になりました。お礼申し上げます。



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