北尾吉孝日記

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先週のニュースに『金融・証券・商品先物を横断的に取り扱う「総合取引所」構想で、経済産業省、農林水産省、金融庁は22日、上場商品ごとに異なる規制・監督を一元化することに合意した。ただ、監督権限を金融庁に集約するか、独立機関を設置するかで調整がつかず、主要な論点は両論併記という玉虫色の決着になった』というものがありました(※1)。
「総合取引所」構想の実現によって日本に何か大きなプラスの変化が齎されるのかという論点は別にして、上記は工業品を所管する経済産業省、穀物を所管する農林水産省、証券取引所を所管する金融庁による規制・監督の一元化に向けた動きという意味において方向性としては正しいというように私は思います。

私どもと商品先物業界については嘗てSBIフューチャーズ株式会社がこの業界に入り込んでいたわけですが、政府としてこの商品先物業界をどう方向付けて行きたいのかが全く見えてこなかったという部分もあり撤退しました。
なぜ政府がビジョンを描けなかったのかと言えば、経済産業省、農林水産省、金融庁という3省庁によって商品先物業界は管轄されており、この3省庁の意見には大きな隔たりがあるからです。
そのような中で下記数値の通りマーケットは縮小の一途を辿り(※2)、業者数がどんどん減って行く中で勿論利用者数も減少し、日本の商品先物市場は壊滅的な状況になりました。


●2009年度出来高(市場全体)は約3426万枚で、2003年ピーク時-約1億5579万枚の約22.0%に激減した(添付グラフ「商品先物取引 出来高推移(市場全体)」参照)。
●2009年度取引金額(市場全体)は約65.8兆円で、2004年ピーク時-約233.2兆円の約28.2%に激減した(添付グラフ「商品先物取引 取引金額推移(市場全体)」参照)。

商品先物というものが国民経済的にそれなりの意味があるとするならば、当然それをどのように育てて行くのかということを政府の責任において行わなければならなかったわけで、それを行わなかったが故に今日の状況を招いてしまったということです。
役所の関与については「どのようにして業界を発展させるのか」というように常にポジティブな面でのみ関わるならば大いに結構ですが、例えば省庁間の権限の奪い合いに必死になって業界の発展について全く考えないというようにネガティブな面で関わり、そして業界は置き去りにされて行くということであってはいけません。
本ブログでは商品先物業界における行政の弊害を指摘してきましたが、言ってみればあらゆる事柄においてこのような馬鹿げた行政が蔓延っているわけで、日本のためにそのようなものを一つ一つ全て無くして行かなければならないと私は強く思っています。

参考
※1:総合取引所:金融・商品の規制一元化 監督機関は先送り
※2:株式会社日本商品清算機構 統計情報




 

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