北尾吉孝日記

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本年最後のブログ執筆となる今回は、SBIグループの歩みと2011年の展望について記しておきます。

2011年は私どもにとって大きな意味を持つ年になると考えていますが、私は2つの元年を迎える年になると言っています。
2つの元年が何かと言えば、一つは「バイオ元年」で、もう一つは「PTS元年」であります。

前者については、これまで長期に亘り投資をし続けてきたバイオ関連事業が本格的に花開いてくると考えており、その象徴となるのがSBIアラプロモ株式会社(以下、SBIアラプロモ)であると思っています。
SBIアラプロモとはコスモ石油株式会社が大量低コスト生産を可能としたALA(5-アミノレブリン酸の略称)という物質を有効成分とする医薬品、化粧品、健康食品の開発と販売促進を行うため2008年4月に設立した会社(当社グループが85%を所有)で、来年以降このSBIアラプロモを巡って様々な展開がなされて行くと私は考えています。

後者について言えば、先週23日の日本経済新聞に「株式私設取引 11月の売買代金、ジャスダック上回る 最高の3600億円」という見出しで「最大手のSBIジャパンネクスト証券は今月の売買代金が22日に2000億円を突破し、過去最高を更新した」という記事が掲載されていましたが(※1)、此処の所「ジャパンネクストPTS(SBIジャパンネクスト証券株式会社が運営する私設取引システム)」の売買代金は順調に推移しています(※2)。
また今月9日には一日あたりの売買代金が173億円(対東京証券取引所比約1.2%)にのぼり過去最高を更新するという状況で(※3)、私は来年以降このPTSというものが大きな市場として益々育ってくると考えていますし、2011年は「PTS元年」と呼べるような年になるのではないかと思っています。

上述した2つの元年の内、SBIアラプロモについては私どもに対する収益貢献が非常に大きなものになると見ており、新たな収益の柱になって行くものと私は大いに期待しています。
その一方で「ジャパンネクストPTS」については本質的には収益追求のために作ったわけではなく、SBIアラプロモと比して収益面での期待を寄せているわけではありません。
どういうことかと言いますと、日本ではPTSというものが未だに全く根付いていませんが、欧米ではそれが当たり前で投資家にとって非常にポジティブなものになっているという判断の下、寧ろ社会、投資家のために日本でもこのようなものを作らなければならないとの思いから始めたことなのです。
本ブログで何度も指摘していることですが、日本の当局者は投資家保護の観点に立って「最良執行(どの市場で取引すれば最も有利かをシステムが瞬時に判断し、最も有利な市場を選んで自動的に売買を執行すること)」を行わなくても許される現在の仕組みを一刻も早く改変すべきであると私は強く思っています。

次に私どもの歩みについて総じて言えば、ある面で既存事業だけを営めば更なる収益を上げることが出来たにも拘らず、次々と新規事業にチャレンジすることで収益の足を引っ張られ続けた10年間というようなものでした。
唯だからこそ常に夢のある会社であり続けたのだと思いますし、そしてまた夢を追い取り組んできた殆どの事業についても失敗という形で売却したり、あるいは破綻したりということもなく、それなりに育ててくることが出来ました。

私どもはネット銀行、ネット損保、ネット生保をある程度同時期に集中した形で立ち上げてきましたが、「リーマンショック」後の大変な時期を乗り越え、住信SBIネット銀行株式会社については先月ブログでご紹介した通り、収益・預金残高・口座数においてオンラインバンクNO.1の座に手が届くような状況にまで成長してきました。
またSBI損害保険株式会社(以下、SBI損保)も大変なスピードで成長しており、そのことについては先週24日の日本経済新聞に掲載された記事を見て貰えれば一目瞭然かと思います(※4)。

添付グラフ「直販損保主要8社の4~9月期自動車保険料収入」にあります通り、SBI損保が前年同期比で138.8%増加したのに対し他社は全て10%以下の増加とSBI損保のみが圧倒的な伸び率になっているわけで、時間の問題でまずはそんぽ24損害保険株式会社を抜いて行くものと確信しています。
このように私どものネット銀行、ネット損保は共に短期間で急成長を遂げ夫々の業界において確固たる地位を築きつつありますが、それを支える企業生態系というものは既に完成しています。
最後に残ったネット生保についても着々と構想を練り順調に準備作業が進んでいるという状況で、今後も企業生態系の組織優位性を働かせ様々なシナジーを発揮することで加速度的成長が必ず齎されると確信しています。

上述したような大変厳しい環境下で夢あるものが花開いてきたのは非常に嬉しいことですが、今後はインフォメーションミーティング等でお話したようにSBIグループの「ブリリアントカット化」を推進していきますので(※5)、新規事業を次々と立ち上げて行くつもりは最早無く、収益力の強化という次の夢を描いて行こうと思っています。
即ち、SBIグループの規模拡大と企業生態系の構築を最優先したステージから今度はEPS(Earnings Per Share/一株当たり利益)の持続的成長を重視して収益力増強を追求し、そして世界トップクラスの企業と収益面で比較可能な企業を創り上げることを目指して行きたいと考えています。
私どもは創業から未だ10年余り、ソフトバンク株式会社は30年を要して今があるわけで、私どものこれまでの歩みについては今後の飛躍的成長を齎す上での土台が出来たという意味で非常に良かったのではないかというように私は認識しています。

以上、SBIグループの歩みと2011年の展望について述べてきましたが、「バイオ元年」「PTS元年」という2つの元年を迎える2011年SBIグループの更なる飛躍を期待し、年を越したいと考えているところであります。
皆様におかれましては、上述した通り新たなステージに入ったSBIグループに対する変わらぬご支援とご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。
本年も小生の拙いブログをご愛顧頂き誠に有難う御座いました。
来年が皆様方にとって良い年になりますよう、心より祈念致します。

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参考
※1:株式私設取引 11月の売買代金、ジャスダック上回る
※2:SBIジャパンネクスト証券 月間売買代金実績の推移
※3:「ジャパンネクストPTS」売買代金 過去最高更新のお知らせ ~12月9日の売買代金は173億円に~
※4:直販損保の4~9月自動車保険料収入、9%増
※5:SBIホールディングス 説明会動画・資料




 

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