北尾吉孝日記

『自粛を自粛せよ』

2011年4月5日 13:42
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今あらゆる経済活動に関して過剰とも言えるような自粛ムードが広がっています。
例えば、花見を自粛する、一般企業の宴席を自粛する、フィギュアスケートの世界選手権を自粛する、あるいはプロ野球についても大揉めに揉めた挙句、開幕を延期しナイターを自粛するといったように有りと有らゆる所で自粛が蔓延しています(※1)。

同胞意識の強い日本国民の一人として、私も「被災地が大変な状況なのに宴会をしていて良いのか!」とか「こんな時に花見をやって良いのか!」というような心情は勿論理解出来ます。
しかし以前ブログでもご紹介した通り、所謂「合成の誤謬」と経済学の世界で言われることを考えて貰いたいのです。
つまり個々人は「節倹の美徳」として無駄遣いをしないことを美徳とするような部分がありますが、経済活動というのを全体として見れば、個人消費が落ち込めば経済活動は停滞しGDPが減少してしまいます。
今の自粛騒ぎについては心情としては理解出来ますが、あらゆる経済活動にこの動きが広まって行くとすれば、デフレから脱却出来るかどうかという中で日本経済は更に難しい状況に陥って行くことになるでしょう。
従って、私は寧ろ「自粛を自粛せよ」と言いたいのです。

それから不謹慎という言葉がよく使われていますが、この言葉にも大いに問題があると思っています。
今回大地震が起こったということ、そして震災により甚大な人的被害・経済的被害が発生したということは、既成事実としてまずは確りと受け止めるべきでしょう。
そして今から如何に早く復興を成し遂げるのかということに我々日本人は全神経をつぎ込んで行くべきではないでしょうか。
それこそが震災被害に遭われた地域の人々に対して、様々な資金的援助・物質的援助を可能にする唯一の方法なのです。
日本全体が沈没して行くようなことでは、そのような援助を十分に施すことも出来はしません。
資金的・物質的に現時点で不足しているものを満たして行くため、そして一刻も早く復興を成し遂げるためにも、他の地域経済を活性化させて行くということが非常に大事になるのです。
それ故、私は最後にもう一度言いたい、「自粛を自粛せよ」。

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現下の世界金融経済情勢と今回のファイナンスについて

参考
※1:強化・運営に支障=財政脅かす自粛-震災の中のスポーツ





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  1. そうですね。地震発生時、僕は海外にいたのですが、日本の報道を1週間ほど見ていて、9.11を思い出しました。
    みんなの方向性に逆らうものは反逆者であるかのようにバッシングされます。
    はたして それは社会としていい傾向なのでしょうか?

  2.  まったく!その通りっ!と、思います。



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