北尾吉孝日記

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昨今の政治の混迷というのは、一言で言えば「菅の菅による菅のための政治」というものから生じており、最早呆れ果ててものも言えません。

先月28日の大事な民主党両院議員総会においては「質問を要求する出席者の怒声を振り切って途中退席した」わけで(※1)、一国の宰相として有るまじき態度です。
また、先月7日に『信なくんば立たず~菅内閣不信任決議案を巡って~』と題したブログでも指摘した「退陣の2つの条件」が一月経たずして今度は3つの条件になり、自民党も絶対に賛成しないと思われる条件も掲げ延命を図ろうという有様です。
菅氏によるアジェンダセッティングというのは、例えば消費税、TPP、脱原発といったように、これまでもあらゆることが降って湧いてくるというものでした。
例言するならば、菅氏はTPPを「明治維新、第2次世界大戦での敗戦に次ぐ第3の開国だ」と語ったそうですが(※2)、特に大震災発生以後、その言葉とは裏腹に何の進展も図られてはいないのです。
仮に「第3の開国」という程の重要問題としてTPPを認識しているのであれば、何が起ころうとも徹底推進すべき事柄であり、震災の影響云々と言って前進させないというのは余りにも馬鹿げています。
そして更には上記両院総会において「エネルギー政策をどのような方向にもっていくかは次期国政選挙で最大の争点、議論になる」などと不要な発言を行うという始末です(※3)。
これについては菅氏が即刻退陣すれば良いだけの話ですが、仮に解散・総選挙に踏み切ったとしても選挙民の大多数は菅氏を支持しないでしょうから、彼自身が落選する可能性も低くはないでしょう。
日本人として潔いということ、出処進退をきちっとして行くということが一つの美学なのです。
詰まらない事をした人間であっても出処進退をきちっとしていれば、それを是として受け入れるのが日本人の伝統的文化です。
ところが菅氏というのは、その無能ぶりを野党からも自党からも厳しく糾弾され、自党からの70~80名程度の造反者も加わり内閣不信任決議案が可決されそうになって初めて仕方なく辞める振りをし、そしてその数時間後には「おれは辞めるつもりはない」と言うような潔さの欠片も無い人間です。
子供騙しのような言動を繰り返し、恋々と権力の座にしがみ付こうとする彼の姿には微塵の美学もありません。
上述したような愚行を平気で行う人間が長らく国政の長として籍を置くということ自体がナンセンスであり、これまでどれ程の国益が彼により損なわれてきたのかについて今こそ真剣に考えるべきでしょう。

振り返ってみますと、現在の「ねじれ」が生じた最大の理由というのは、昨年7月の参院選前に菅氏が突如として消費税増税発言を行い民主党が敗北を喫したことにあるわけで、そのような人間が代表を務めるなどというのは本来的には筋違いです(参考:『選挙結果に関する所感と今後の政治状況について』)。
それにも拘らず、菅氏は仙谷由人氏らと共に「小沢起訴」キャンペーンを張り、マスコミが反小沢世論を形成し、そして結果において菅氏は民主党代表選で勝利を収めたわけですが、仮にあの時に小沢総理が誕生していれば、今前進の兆しすら見えなくなってしまった原子力放射能問題を含め、日本を取り巻く全ての状況は違っていたのだろうと思います(参考:『民主党代表選を終えての雑感』)。
菅氏の行う人事を見ていますと、相も変わらず思いつきの域を出ないわけで、例えばある時には自民党の谷垣禎一氏に副総理兼震災復興担当相として入閣するよう求めてみたり(※4)、またある時には何故かは分かりませんが自民党内でも殆ど影響力が無いような人間を復興担当政務官に起用してみたり、そしてまたある時には「蜜月」関係にある国民新党の亀井静香氏に対し副総理への就任要請を行うといったような具合です。
流石の亀井氏も今時分に沈没し掛かった船の副船長になるというのは余りにも愚かだと考えたのか上記要請を断ったわけですが、何れにせよ先月17日のブログでも述べた通り、日本の将来に多大な影響を及ぼし得る様々な重大局面において、国民新党のような小党が何時までも関与して行くという状況は必ず変えねばなりません。

今マスコミでは「こんな大事な時に政局なんてやっている場合か!」というような論調が支配的になっていますが、私に言わせれば、それは極めてナンセンスです。
政治停滞の張本人、菅直人氏の問題を徹底究明し、速やかに辞任させることこそが様々な弊害を取り除く上で最も効果的な方法なのです。
一刻も早く菅氏を降ろすということを可能にするのは、やはり国民の声以外にはありませんので、私も一国民として徹底的に叫び続けなければならないと思っています。

唯、今回の人事で良かった点を最後に一つだけ述べますと、先日『「新しい民主党」創造に向けて』と題したブログでも推した細野豪志氏が原発事故担当相という重要なポジションに就いたことです。
細野氏とは私自身も面識があり、彼こそが次代のホープであると私は期待していますから、彼が何とか大成するよう今後も見守って行きたいというように思っています。

関連記事
「新しい民主党」創造に向けて

参考:
※1:菅首相、質問求める怒声振り切り退席…両院総会
※2:第3の開国「TPP」を決断せよ
※3:小沢系から相次ぐ批判、首相は途中退席 民主両院総会
※4:菅首相:谷垣氏に副総理兼震災復興担当相で入閣要請も応じず―NHK





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  1. インターネット通販大手の楽天は6月23日付で経団連に退会届を郵送しました。
    理由について、楽天の三木谷社長は「製造業などの業態の違う企業が多く入会しており、
    方向性や哲学が違う。新しい時代に向かっていく流れが必要だと思っているが、経団連は
    そういう形になっていない。」と説明していました。これからは、こうした若手でやり手のCEOが
    ドンドン老朽化して動きも老衰の日本経団連から抜け出て新しい流れを作り、新しい日本を築いて
    くれる事を期待します!!

    私は中国・上海の出身で、既に日本に帰化していますが、やはり日本にいながら中国経済・政治
    の最新動向と日本企業への影響に常に大きな興味と関心を持っています。中日両国はともに東アジア
    にあって地理的にも近い、両国が手を携えて発展すること、そして中国企業の対日投資は日本経済に
    更なる活力をもたらし、日本企業は対中投資を通じて新しいマーケット(中国市場)を開拓し、お互いに
    相互利益を実現していくことはとても素晴らしいことだと思います。
    (※2008年の胡錦涛国家主席の来日時に福田首相と署名した日中共同宣言に定められた
    「戦略的互恵関係」で、日中関係は新しい時代を迎えました。)

    日中関係を新たなステージに導くことにあたっては、微力ながらも日中友好の架け橋・潤滑油
    となって両国の経済交流に貢献したいという気持が強く、今、夢を模索している途中です。



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