北尾吉孝日記

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民主党執行部は今月28日に代表選を行う方向で調整しているようですが、2ヶ月前に執筆した『「新しい民主党」創造に向けて』というブログでも「消去法的に見ても財務大臣の野田佳彦氏が次の総理に就任する可能性が極めて高いのではないか」と述べたように、恐らく菅後継は野田財務相ではないかと私は見ています。
仮に野田氏が就任するとなった場合に最も重要となるのは、小沢一派がどうこうといった怨念の政治を打破し、党内融和を図って挙党一致体制を確立することです。
また、昨今大連立の話が様々な形で報じられており、昨日の読売新聞社説「民主党代表選 大連立への道筋を主要争点に」などにも下記記載がありますが、大連立の実現というのは中々難しいのではないかと私は考えています。

『菅首相の後継を選ぶ党代表選で、出馬の意向を固めた野田財務相が、自民、公明両党に連立政権への参加を求め、「救国内閣」を目指す考えを表明した。
新政権の枠組みとなる大連立や野党との連携のあり方が主要な争点に浮上してきたのは必然だ。衆参ねじれ国会の下で政権運営を進めるには、自公両党など野党との連携は欠かせない。』

勿論、現在のような「ねじれ」状況において、公明党中心に連立を組み法案を通り易くして行くというのは、一つの考え方としてやむを得ないことだと思います。
しかしその一方で自民党とも連携し、民自公3党による大連立政権を樹立するというのは、余り好ましいものではありません。
と言いますのも、今年3月に『中国古典から見る政治の三要素』と題したブログでも下記の通り指摘しましたが、政道・政略の相違を無視し烏合の衆の如く集まってしまっては結局将来に禍根を残すだけになると思いますので、やはり一本筋の通った政権政党により政治が執り行われることを私は期待しているからです。

【中国古典流に言えば、政治というのは三つの要素に分かれます。
一つは政治の政に道と書く「政道」というもので、時代劇などを見ると「天下の御政道」というようなことがよく出てきます。
政道というのは正に政治の根本中の根本であり、その国の君主なり皇帝なりが行う政治の哲学思想に関わる最も根本的な部分です。
そして政道の次は「政略」というもので、その政道を踏まえ活用しながら如何に具現化して行くのかということを政略と言います。
政略となると具現化、具体化ということに繋がりますので、それが正に事務を要する仕事になるわけです。
従って昔から事務をする主体が官僚というものであり、その官僚により行われるのが「政策」というものです。
以上、「政道」「政略」「政策」の3つが政治の三要素というものであります。

ところが昨今の日本の状況を見ていますと、例えば180度違うことを主張していた与謝野という人がある日突然内閣の主要ポストに入るとか、あるいは「普天間基地移設問題」に関して兎に角「反対、反対」の社民党が連立政権に参加するとか、あるいは今回の地震による大災害を受けて「大連立」の話が出てくるといった具合で(※1)、全く以て政道というものがありません。
日本の政治家は一体如何なる哲学思想の下、政治を執り行おうとしているのでしょうか。
政道の違いをある意味象徴しているのが政党の違いというものですから、それが合流するというのは一体どういうことなのかと理解に苦しみます。
そして合流にあたっていつもなされるのは政策協議だけであり、日本では政道・政略について一切忘れ去られています。
このように日本は政治においては最も枢要な要素が忘れ去られる国になっています。このことこそが、日本政治の退廃を招いている根本要因であるというように私は感じています。】

最後に次期政権における主要人事の在り方について一言申し上げておきます。
上記ブログ『「新しい民主党」創造に向けて』でも述べたように、細野豪志氏や長島昭久氏といった次代の政界のホープと目される若い人達を要職に起用すべきではないかと私は強く思います。
特に原発事故担当相の細野氏には現行の関連事項を全て経済産業省に移管した上で、是非とも経済産業大臣に就任して貰いたいと思っています。
そして、前防衛大臣政務官の長島氏については外務大臣、あるいは防衛大臣といった職責を担って貰えればというように考えています。

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参考
※1:大連立期待論、閣僚から相次ぐ 自民幹事長は首相批判





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  1. コメントは2回目です。先日は偶然TVで見ました。時間が短くてもっとお話を聞きたかったです。決してブレない考え方に共感というか、尊敬致しております。さて毎度のことながら世間では政局の話が増えてきました。私はいつも思うのですが、同じ人たちがやっているのですから、何がどう変わろうと、結局そんなに変化は無いと思っております。人間、自分を本当に変えること、難しいですから。少なくとももっと若手の方々がでてくれば少しは変わるかな?と思うのですが、その人たちの世代の教育が、ちと心配です。いずれにしても現状は皆、政治屋。 政治家に出てきて欲しいです。昔の政治家は悪いことも沢山したでしょう、しかし、国にとって良いことも沢山してきたような気がしてます。国民の顔色を見ながら、というのではなく、国の将来をしっかりと見据えた政治ができるスケールの大きい政治家の登場を期待したいです。



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