北尾吉孝日記

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一昨日掲載された下記『日本企業の海外M&A相次ぐ 記録的円高が後押し』という記事にもあるように「日本企業が海外企業を買収するケースが急増」しています。

『M&A(企業の合併・買収)助言のレコフによると、2011年8月(26日まで)は円換算ベースで4507億400万円となり、前年同月の約3.7倍に達した。件数ベースでは8月は42件と、同10件増えた。前月比でも10件増だった。(中略)
一方、日本企業同士や海外企業が日本企業を買収するケース(件数ベース)は前年同月比で減少している。』

そうした中、日本企業による海外M&Aを後押しするであろう円高対策が先週水曜日に財務省から(『円高対応緊急パッケージについて』)、そして、今週月曜日には内閣府から発表されたわけですが(『円高への総合的対応策の考え方と検討課題について』)、その一方で先週水曜日、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが「多額の財政赤字と2009年の世界的な景気後退以降積み上がっている政府債務」を理由に『日本国債の格付けを「Aa2」から「Aa3」に引き下げた』というのはご存知の通りです。
日本においてこれまでと同じ調子で政治停滞が続き、そしてまた産業空洞化が益々進行するということになれば、時間の問題で日本国債の更なるダウングレードといったことにならざるを得ないでしょうから、これだけ円が強くなっている今というタイミングを千載一遇の好機として捉え、日本は海外資産を意欲的に買って行くべきではないかというように私は考えています。
私どもの状況はと言えば、今月16日のブログでもご紹介した通り、「日本のSBIから世界のSBIへ」と段々とグローバルになるに従って、色々な国の大臣クラスの要人や大手企業のトップの方々とにお会いする機会も着実に増えてきています。例えば今週もインド、台湾、香港、アメリカというように様々な地域からの来客があるといった具合です。
このように最近は一週間に3カ国以上のお客様が私を訪ねて来られるという状況になっているわけですが、私としてはそうした話し合いの機会も十分生かしながらベストなアセットを探し出し、この円高環境を利用して出来る限り安く買って行きたいと思っています。

日本という国が貿易立国として最早成り立つ状況ではないというのは本ブログで幾度も指摘してきたことですが、今後は投資立国として如何に配当収入や金利収入、あるいはキャピタルゲインを得ることにより金融収益を稼ぐことを考えて行かねばならないでしょう。
そうした場合、例えばメーカーで言うと海外に生産拠点を構築して行くことになるわけですが、これからは中国一辺倒ではなく他のアジア圏諸国、取り分けインド、インドネシア、ベトナム、カンボジアへの進出をより加速すべきではないかと思っています(参考『アジア各国の金融経済情勢~中国、インドネシア、ベトナム~』)。
インドという国は世界第2位の総人口1,189,172,906人(2011年7月現在)を抱え、2050年までの間に「中国を抜いてトップに躍り出ると予測」されており(※1)、更には「中間層である年収5000~1万ドル世帯は2008年の16%から15年には39%に拡大する一方、1000~3000ドル世帯は52%から10%に縮小する」と見込まれています(※2)。
私なりに現況を見ますと、日本企業によるインド進出というのは未だ十分ではないというように感じられ、これからどんどん進出して行くべき国の一つではないかと思っています。
また、世界第4位の総人口245,613,043人(2011年7月現在)を抱えるインドネシアについても非常に大きなマーケットであり、「年収5千~1万ドル(40万~80万円)程度の中間層は1990年代末のアジア通貨危機当時は人口の約2%だったが、現在は2億人超の人口の約30%にのぼる」というのが現況です(※3)。
そして、本ブログで幾度か取り上げてきたベトナムやカンボジアといった若年人口が非常に多い国に対しても日本企業は確りと目を向けるべきであり、特に世界第14位の総人口90,549,390人(2011年7月現在)を抱えるベトナムという国の場合、その平均年齢は27.8歳と大変若く(日本:44.8歳)、「人口の約6割が30歳以下」といった状況なのです(※4)。
従って、上述したような国々においても日本企業は今の内にアセットを積極的に購入し、生産拠点・販売拠点構築の動きを活発化すべきではないかというように私は申し上げているわけです。
先月22日にも『グローバルな取引所再編成の時代』と題したブログで下記の通り指摘しましたが、このグローバリズムの時代において非グローバル企業は最早生き延び得ないのです。

【これからの世界はあらゆるものがグローバルな中で動いて行くようになり、本当の意味でのグローバル社会というものになって行きますが、その世界に適応したものしか存在し得なくなって行くことでしょう。
そうしたグローバル経済において、上述してきた取引所というのはある意味象徴的なものとも言えるものですが、今後の世界というのは必ずそういう方向に動いて行くというように私は考えています。】

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日本のSBIから世界のSBIへ2

参考
※1:世界人口、年内に70億人に達する見込み 仏調査
※2:2011年8月29日化学工業日報
※3:日経ヴェリタス第165号
※4:2011年3月9日日経産業新聞




 

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