北尾吉孝日記

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本日の朝日新聞社説「ソ連崩壊20年―民主化抜きに安定なし」にも下記記述がありますが、端的に言えばロシアをはじめ旧ソ連諸国においても未だ民主化が完全になされていないというのが現況なのだろうと思います。

『ソ連の崩壊から、20年が過ぎた。
(中略)最後の指導者ゴルバチョフ大統領は「諸民族は繁栄し、民主的な社会に暮らすだろう」と辞任時に語った。しかし、新たに独立した国々のほとんどで、それは実現していない。
まず、旧ソ連で最大の国家ロシアが、下院選の不正問題で相次ぐ大集会に揺れている。
(中略)来年3月の選挙でプーチン氏は大統領復帰を目指す。同氏による安定の実現を評価していたゴルバチョフ氏がいま、「私のように自発的に退陣せよ」と求め始めたのは象徴的だ。
(中略)プーチン氏は、旧ソ連諸国が「ユーラシア連合」をつくり、経済統合を強めることを提唱している。だが、抜きんでて大きなロシアの資源と経済力で各国の強権政治を支えるだけなら、その先行きに展望はない。
(中略)改めて、民主化に本腰を入れる。安定と繁栄を求めるなら、ロシアはじめ各国指導者に、とるべき道はこれしかない。』

今回のロシア下院選において「結果に影響を与えるような違法はなかった」かどうかは別にして(※1)、まずはそもそもの話としてプーチンという一人の人間が大統領を含め12年に亘ってロシアを支配するというようなことでは民主国家とは言い難いのではないでしょうか。
米国は憲法修正第22条第 1 節において「大統領の三選禁止」が規定され制度的な縛りがあるわけで、そうした意味でもロシアというのはまだまだ民主化途上の国ということなのだろうと思います。
どれ程優れた人物であっても、国のトップという者はやはりその任期中に精根尽き果てるまで全身全霊を捧げて仕事に没頭し、そして任期を終えたらほっとして、大過なく大任を果たせたことを天に感謝すべきでしょう。
この激変する世界情勢の中で一人の人間が一国を代表するような地位に長期に渡って在り続けるべきではないと思いますし、況して本日の「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」の「ロシア政府、デモ隊との「対話」の姿勢―プーチン退任要求は拒否」にも「一部の集計によると最大で10万人の人々が極寒のモスクワ中心街に集まった」とあるように多数の反対者が声を上げ一大ムーブメントが形成されつつあるような状況下、来年3月に大統領選挙を実施してプーチン氏が大統領に返り咲くのが難しいかもしれません。
そしてまた今年9月のブログ『続くプーチンのロシア』等でも指摘してきましたが、やはりプーチンという男にはKGB時代の暗いイメージがずっと付き纏っている臭いがありますから、仮に選挙を経て彼が再び大統領に就任したとしても内外から余り良いイメージは持たれないとも思うのです。
「18年もの交渉の末、世界貿易機関(WTO)へ、ロシアは来年正式加盟することになった」わけですから(※2)、やはりこれからのロシアは上述したような過去を引き摺るようなことがない人物が大統領の地位に就き、その指導者の下で本格的な民主国家として世界に打って出て行くということが必要ではないかというふうに私は考えています。
余談になりますが、私どもSBIのロシアのパートナーであるメトローポル(METROPOL Investment Financial Company Ltd.)のシュリペンチュク氏は今回の選挙で国会議員になりました。

参考
※1:2011年12月21日日本経済新聞朝刊『旧ソ連諸国「CIS」が首脳会議、加盟国、民主化道半ば――米軍展開に厳しい条件。』
※2:反プーチンデモ ロシアに「法の支配」が必要だ(12月26日付・読売社説)




 

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