北尾吉孝日記

この記事をシェアする

小生のブログを読まれTwitterで非常に的確な指摘をされているサウスモールという方より、一昨日「橋下さんが道州制、教育制度改革等もろもろ発信され、議論がわき起こっていますね。もしコメントがあれば是非。」との訴えを頂きましたから、本ブログでは教育制度改革を含め以下簡単にコメントして行きたいと思います(下記参照:月刊誌『教育再生』第44号「橋下イズムを突破口に!大阪・教育基本条例の本当の狙いは?<上>」より抜粋)。

『教育正常化をめぐる今年の大きな焦点として、橋下徹大阪市長が率いる「大阪維新の会」が大阪府議会に提出した教育基本条例案の行方が注目されます。条例案の根幹である「知事が教育目標を設定する」という内容について、政府は12月16日、渡辺喜美みんなの党代表の質問主意書に対して「教育委員会の職務権限に属するものであり、地方公共団体の長にその権限はないと考えられる」とする答弁書を閣議決定しました。地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)に違反するというわけです。文部科学省も同様の見解を大阪府教委に伝えました。』

『条例案の根幹である「知事が教育目標を設定する」という内容』について言えば、上記記事において下村博文・元内閣官房副長官等も指摘しているように、『例えば「教育の政治的中立はあり得ない」という輿石東氏みたいな考え方の人が首長になったときに首長主導では困る』といった問題がありますから、より慎重に考える必要があるというふうに思っています。
その一方で「教育現場に政治的イデオロギーを持ち込む」日教組に対しては私自身もこれまで一貫して批判し続けてきましたが、上記記事において山谷えり子・元内閣総理大臣補佐官も下記指摘している通り、その弊害というのは一刻も早く一掃せねばなりません(参考:2011年12月6日北尾吉孝日記『岡潔著「日本民族の危機」について』、及び2011年12月15日北尾吉孝日記『「坂の上の雲」のテレビドラマ化』)。

『現在の条例案では首長次第という属人的な部分があると思います。(中略)首長は2期目になるとオール与党になって日教組から票をもらうという構造があります。過激な性教育の問題も、調査できたのは東京都だけでした。あとは首長が日教組の世話になっていて調べることができないという、教育の闇があります。保護者の参画ももちろん理想なのですが、保護者の資格でプロ市民が入ってくる危険性があります。』

昨年11月のブログ『「大阪ダブル選」を終えての雑感』でも「これから大阪で大変な成功例が作られ、その大改革が日本全体に移って行く中で、大阪から世の中を大いに変えて貰いたいというふうに切に願っています」と述べた通り、私は橋下氏の方向性について基本的に賛同しており応援して行きたいと思ってはいます。
唯、橋下氏が真になすべきは上述したような教育制度改革ではなく、「大阪都構想」の具現化や大阪経済の活性化、あるいは国政レベルの制度改正を実施すべく次期衆院選対策を練るといったことではないかと思うのです(参考:2011年12月21日北尾吉孝日記『今後の政局とキーパーソン』)。
『論語』の「述而第七の十」に下記一節がありますが、今の橋下氏というのは正に「暴虎馮河して死して悔いなき者(素手で虎を捕らえたり、歩いて大河を渡ったり、死んでも平気と言うような者)」であり、策というものが全く欠落しているというように私の目には映っています。

 書き下し文『子、顔淵に謂いて曰く、これを用うれば則ち行い、これを舎つれば則ち蔵る。唯我と爾と是れあるかな。子路曰く、子、三軍を行わば、則ち誰と与にせん。子曰く、暴虎馮河して死して悔いなき者は、吾与にせざるなり。必ずや事に臨みて懼れ、謀を好みて成さん者なり。』
 現代語訳『孔子が顔回に言われた。「人は用いられれば官職に付き、用いられなければ隠居する。この修養ができるのは私とお前だけだろうな」。子路がこれを聞いて言った。「もし先生が三軍を統率されるなら、誰と一緒にされますか?」孔子が言われた。「素手で虎を捕らえたり、歩いて大河を渡ったり、死んでも平気と言うような者とは、私は一緒にならない。必ず慎重に事に臨み、策略に長けて達成する者なら一緒にやろう」』

また『論語』の「子路第十三の二十一」では次のように述べられており、私自身も「狂者(奔放な人)」の側面を持っていると自覚していますし、そもそも「狂」か「狷」かといった問題でもないとは思いますが、少なくとも今見られるような大上段に構えた過激な手法によって橋下氏が物事を成就させて行くのは困難ではないのかというふうに私は考えています。

 書き下し文『子曰く、中行を得てこれに与せずんば、必ずや狂狷か。狂者は進みて取り、狷者は為さざる所あり。』
 現代語訳『孔子がおっしゃった。「言行が中庸な人と付き合いできなければ、奔放で気骨がある人と交際するのがよい。奔放な人は進取の精神に富み、気骨のある人は悪事を働かないからだ」』





(任意/公開)
(任意/非公開)

  1. 北尾様、いつも学ばせていただいております。私も最近まで橋本市長に好感を抱きながら、あまりに無策では無いかと感じておりました。しかし、市長選挙後にこれは歴史の転換期と感じて、橋下氏の集めたブレインである古賀茂明氏、原氏、上山信一氏などの全著作を集め、精読し、分析しました。古賀氏や原氏、上山氏を史記の張良や陳平に例えるのはオーバーかも知れませんが人物、良い意味の軍師、策士が集まりつつあると感じました。私個人は橋下氏のもとに集まりつつある元官僚、策士たちに期待し、応援したいと考えておりますので、



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.