北尾吉孝日記

この記事をシェアする

先週は2日(木)、3日(金)と韓国に出張してきましたが、「2日には、首都ソウルの気温が氷点下17.1度まで下がり、1957年2月11日の氷点下17.3度以来、2月としては55年ぶりの寒さを記録。(中略)3日早朝にも氷点下14.4度を記録した」というように記録的な寒さが予想されていたので、私も完全防備で韓国に向かいました(※1)。
今回韓国を訪問した理由の一つとして、Hana Bankを傘下に置く韓国大手財閥グループ、Hana Financial Group主催の講演会「Dream Society」に京セラ株式会社名誉会長ならびに日本航空株式会社代表取締役会長を務めておられる稲盛和夫さんが講演をされるというのがありました。
実はHana Financial Groupの金勝猷(キム・スンユ)会長からの「北尾さん、稲盛さんを御存知というのは他の人から聞いてよく知っています。稲盛さんに会わせてくれませんか?是非講演を頼みたいと思っています」というお願いに対し、私は「非常にお忙しく年齢も年齢の方ですから中々難しいとは思いますが…」というふうに話して稲盛さんと引き合わせたわけですが、私も参加した日本でのミーティングを経て結局稲盛さんは御引き受け下さり今回の講演会が実現しました。
そこで稲盛さんは下記『経営の要諦「経営12カ条」』について概要を話されたわけですが、一千人以上の参加者のうち韓国の企業経営者が殆どという講演会において、あれ程までに熱烈な歓迎を受ける日本の企業家というのも珍しいのではないかと思っています。

【経営12か条-普遍的な経営の要諦が企業を成長へ導く】
1.事業の目的、意義を明確にする-公明正大で大義名分のある高い目的を立てる
2.目標を明確に立てる-立てた目標は常に社員と共有する
3.強烈な願望を心に抱く-潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと
4.誰にも負けない努力をする-地味な仕事を一歩一歩堅実に、弛まぬ努力を続ける
5.売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える-入るを量って、出ずるを制する。利益を追うのではない。利益は後からついてくる
6.値決めは経営-値決めはトップの仕事。お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点である
7.経営は強い意志で決まる-経営には岩をもうがつ強い意志が必要
8.燃える闘魂-経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要
9.勇気を持ってことに当たる-卑怯な振る舞いがあってはならない
10.常に創造的な仕事をする-今日よりは明日、明日よりは明後日と常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる
11.思いやりの心で誠実に-商いには相手がある。相手を含めてハッピーであること。皆が喜ぶこと
12.常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

私自身も一時間半超に及ぶ稲盛さんの講演を拝聴して改めて大変な勉強をさせて頂き、稲盛さんという方と面識を得られたことに非常に感謝をしている次第です。
中国古典の『大学』にも「必忠信以得之、驕泰以失之」と下記引用にある通り、良心に従って誠実にそして人から信頼されるということ、そしてまた驕ることがないということが君子の二要件であるとされています。
私は講演会終了後のディナーでも稲盛さんの隣に座らせて頂き色々とお話をさせて頂く機会に恵まれました。
御年八十歳になられあれ程御成功されたにも拘らず、私共のような若輩者に対しても微塵も驕り高ぶるところがなくずっと謙虚にお話をされていました。
私は上記の大学の言葉は人生を有意義に過ごす上で非常に大事であるというふうに改めて強く感じました。

【必ず忠信以て之(こ)れを得、驕泰(きょうたい)以て之を失ふ】(※2)
人から信用を得たり、物事を達成させる為には忠信の心がなくては、なかなか成功の道は開けない。忠は真心であり、信は信用信頼されるということである。
しかしながら何十年と忠信以て実績を作り、ある地位になると、必ず驕ることがある。「自分の力だけで成功したのだ」と。この驕りが人を見下し、世の中を舐めてしまう。その時、必ず失敗へと道は続いてゆく。得意絶頂な時こそ、危機が迫っている事を知るべきだと思います。

参考
※1:2012年2月3日モーニングスター「<EMeye>韓国も大寒波、ソウルでは55年ぶりの冷え込み
※2:極真田畑道場:ズームイン第106話「必ず忠信以て之(こ)れを得、驕泰(きょうたい)以て之を失ふ




 

(任意/公開)
(任意/非公開)

  • 小
  • 中
  • 大



Copyright © SBI Holdings, inc. All rights reserved.