北尾吉孝日記

『「AIJ問題」について』

2012年2月28日 14:27
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昨今世間を賑わせているニュースの一つに所謂「AIJ投資顧問の企業年金資金消失問題」がありますが、例えばファンドのパフォーマンス一つを見てみても、2008年のリーマンショックの時に幾らヘッジをしていようとも、あのような高利回りでの運用が行えるはずはないわけですから、私は以前から疑いの目を持ってAIJという会社を見ていました。
今回事件を起こしたAIJ社長の浅川和彦氏は野村證券株式会社において営業一筋で営業マンとしてはある程度優秀であったというふうに聞いていますが、そもそもの話として営業マンとして優秀な人がポートフォリオマネージャーとしても優秀であるなどという話を未だ嘗て聞いたことがありません。
ポートフォリオマネージャーというのは、例えば長い間株式部に在籍して相場を見続けてきたテクニカルリサーチに従事してきた人や業界や企業担当のアナリストがなるといったことであれば良いですが、営業成績が良かったから運用成績も良いだろうなどという発想で違った職種を捉えることについて私は全く以て可笑しいというふうに野村時代からずっと言い続けてきました。
それ故、例えば株式会社ジャフコの役員というのは、野村時代に良い営業成績を達成して役員になり、それを終えてから就任するというような人が殆でしたが、私どものアセットマネジメント事業においては、そうした人事を一切行っておりません。
また米国で行われている営業についても述べますと、トレーダーとセールスマンは全く別のものでありながら、その一方で両者は情報を共有し御客様のニーズは一体何なのかといったことを引き出し、時としてそのニーズというものを自らリコメンデーションしながら商売を作って行くという状況で、セールスマンがトレーダーのヘッドを務めるなどという可笑しなシチュエーションはありえないわけです。
従って、浅川氏のような人が運用の世界に入ってきたということ自体が私はナンセンスであると思っていますから、私に言わせれば、年金基金担当者は彼の経歴の意味を理解してAIJに資金を預けようなどと考えるべきではなかったのでしょうし、仮に預けている資金があったのであれば早期に全て解約するのが正しい選択肢であったと言えるでしょう。




 

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