北尾吉孝日記

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御存知のように、「政府高官や原発作業員を含む危機対応にかかわった300人以上の人たちにインタビューを行ってきた」福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)は、先日報告書を公表しました(※1)。
一昨日の読売新聞記事にもある通り、『報告書は、官邸の対応を「専門知識・経験を欠いた少数の政治家が中心となり、場当たり的な対応を続けた」と総括』したわけですが、私も全くその通りではないかと思っています(※2)。
また、『「政府トップが現場対応に介入することに伴うリスクについては、重い教訓として共有されるべきだ」と結論付けた』そうですが、トップでも良く分かっている人であれば、基本的には問題ないのではないかというふうに思います(※2)。
唯、菅直人という人については、東京工業大学の理学部応用物理学科を卒業し『「原子力に詳しい」と自画自賛』してはいますが、言ってみれば全くのど素人です(※3)。
菅氏は『バッテリーが必要と判明した際も、自ら携帯電話で担当者に連絡し、「必要なバッテリーの大きさは? 縦横何メートル?」と問うた』そうですが、彼は一体何を知っていたというのでしょうか(※2)。
一国の総理という地位にあるど素人が現場へ向かい陣頭指揮を執ったが為に、受け入れ態勢の準備等に無用なコストや貴重な時間を浪費したり、放水対応に遅れが生じたりというような中で、今回の事故が拡大し大惨事が引き起こされたわけです。
その一方で上記インタビューへの協力を拒否した東京電力株式会社(以下、東電)についても、これまたどのように停止すれば良いのかといったことすら全く分かっていない専門家とは言えないような人間が所長を勤め、挙句の果てには「昨年12月に病気療養のため退任」するという始末で大変な醜態を演じてきたわけです(※4/※5)。
そしてまた、原子力安全委員会委員長の班目春樹氏までもが水素爆発に対する見方を誤っていたというのですから、今回の大惨事は起こるべくして起こったと言わざるを得ず最早開いた口が塞がりません(※6)。
菅氏の愚かさというのは上述したような事故対応に留まるものではなく東電処理においても明らかであり、例えば前々から指摘してきたように、所謂私企業としての東電に対してその責任を明確化し単純に法的処理を行えば良かったものを、多くの知識人が理解に苦しむような形で法を無視した処理を行ってしまったわけです。
即ち、本件については言わば一民間企業の倒産ケースなのですから、法律に則ってシンプルに破綻処理すべきものであったのが、国民負担を最大化するような形へと導いたことになる可能性が高いような状況ですから、菅直人という総理が犯した重大な責任は今後きちっと追及されて行くべきでしょう(※7)。
菅氏の東電処理方法も含めて事故対応が如何にお粗末なものであったのかは、上記報告書に見られるような形でこれから次々と明らかになってくると思われますが、そうした過程を経て今回の人災の責任の所在というものが国民に正しく理解されて行くのではないかと私は考えています。

参考
※1:2012年2月29日ウォール・ストリート・ジャーナル日本版「危機で日本の原発テロ対策の甘さ露呈=民間事故調
※2:2012年2月28日読売新聞「菅首相が介入、原発事故の混乱拡大…民間事故調
※3:2011年3月28日ZAKZAK「菅ワガママ視察で原発危機!もうウンザリ…閣僚・官僚は仙谷詣で
※4:2012年2月20日MSN産経ニュース「福島第1原発を公開 冷温停止後初、昨年11月に続き2度目
※5:2011年12月30日北尾吉孝日記『今再び問われる東電処理の在るべき姿
※6:2012年2月29日J-CASTニュース『民間事故調「報告書」で浮き彫り「現状では原発動かせない」
※7:2011年7月1日北尾吉孝日記『菅直人-政治停滞の張本人




 

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