北尾吉孝日記

『金融業のこれから』

2012年3月15日 9:40
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シティグループに長く在籍し、昨年8月よりS&P社長を務めるダグラス・ピーターソン氏とは、彼が日本にいたこともあり私も親しくしていたのですが、その彼のインタビュー記事が日経ヴェリタス208号に載っていました。
その中で「金融業が収益をあげにくくなっているのは、世界的な傾向でもあります。銀行や証券会社のビジネスモデルは今後、どのようになると考えますか」という質問に対し、彼は下記のように答えていますが、私はある面正しいというふうに思っています。

「米国で最も顕著な傾向が表れているが、あらゆる金融サービスを手がけるスーパーマーケット型から専門店型への移行が進んでいる。最近の例としては、保険大手メットライフが個人向け銀行部門をGEキャピタルに売却したことが挙げられる。中核部門と非中核の選別は今後ますます強まるだろう」
「しかし、金融業界がすべて専門店になるとは思わない。商業銀行と投資銀行業務などを組み合わせた業態も残る(中略)」

例えば、SBI損害保険株式会社(以下、SBI損保)について言うと、現在取り扱っている自動車保険に加え、今後幾つかの商品を増やそうと当然考えてはいますが、火災保険をSBI損保で扱うかについてはクエッションマークです。
自社商品として競争力のあるものを開発する場合、先ずは傷害保険やガン保険を検討することになるでしょう。では火災保険についてどう取り組むのかと言えば、私どもの提供している比較・見積もりサイト「インズウェブ」でどの商品がお客様に最適かを推奨し、ベストな商品を提供している会社と提携しフィービジネスの形で展開していこうとしているわけです。
そういう意味で私は日頃から我がグループ役職員に対し、『グループの内外に係らず「中立的な立場」で、顧客にとって比較優位な商品を選別し提供することにより、「日本最大の金融商品ディストリビューター」を目指す』と喧しく言い続けているのです。
従って、金融商品のオリジネーションに強い所は新しい商品を作ることに特化し、そしてその商品を販売力のある所に売って貰うというブティック型の体制こそが、金融業における将来の一つの在り方ではないかと私は認識しています。
また生命保険商品についてもそうですが、所謂『保険のおばちゃん』と言われる人を多く雇い、一定の教育を行って親類縁者を含め色々な御客様に当たらせ、そして彼女達が限界に達し辞めて行くと、また新たな人員を補充して行くというような非効率的な販売方法は最早続くはずがないのです。
それ故時間は掛かるかもしれませんが、将来的には生命保険商品に限らずあらゆる金融商品の販売方法というのは、インターネットチャネルへ徐々に移行することになると私は考えていますし、その中に大きなビジネスチャンスがあるというふうに捉えています。
そしてまた一方で、テレマーケティングというのも一つのビジネスであると思っていますから、我々は株式会社ニュートン・フィナンシャル・コンサルティングや株式会社フィナンシャル・エージェンシーといった所に投資を行い、そうした会社をフル活用しながら販売における効率性を最大限追求しているわけです。
このようにブティック型へと移行が進む金融業の流れの中で、我々SBIは夫々の専門領域を様々な形で押さえながら、最も競争力のある商品を幾つかの商品に限定して販売するような会社でありたいというふうに私は考えています。




 

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