北尾吉孝日記

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昨年12月8日、私は『見直されるか日本株』と題したブログで日本の株式相場が好転して行くのではないかと述べたわけですが、終値ベースで見れば日経平均株価は年初来安値を記録した昨年11月25日から既に23%超の上昇を見せています。
恐らく昨年11月を底に2~4年程度の中期的な上昇波動に入っているのではないかと見ていますが、最大のリスクであるイランを巡る緊張関係が今後更に強まって行くということがなければ、日経平均株価は中期的に上がって行くというふうに読んでも良いのではないかと思っています(下記参照:2012年2月9日北尾吉孝日記『高まる日本株の見直し機運』より抜粋)。

【日本株というのは2006年以降6年連続で世界株式に対してアンダーパフォームしてきましたから、ここへ来て海外投資家の一部が相対観で割安感が非常に強まってきている中で日本株に注目し始めており、彼らの買いもある程度増えてくるのではないかというふうに感じています。
また日本株の過去のパターンから言えば、例えば2000年以降の日経平均株価の推移を見ても分かる通り(中略)、2000年4月から2003年4月の3年間は下落して2003年4月から2007年7月の4年間強は上昇し、そして2007年7月から2011年11月の4年間強は下落するというように大体3、4年で一つの上昇下降のサイクルがあるような気もしています。】

また米国のマーケットについても、未だ以て不動産の問題が一つ懸念される部分であるとは言え、先月15日のブログ『日米の金融市場動向と日銀の金融緩和強化について』でも下記指摘したように私は比較的強気のスタンスでいます(参考:2012年3月15日ウォール・ストリート・ジャーナル日本版「14日の米株式市場―ダウ6日続伸16ドル高、昨年2月以来の長期続伸」)。

【米国でもNYダウのチャートを見ますと所謂「ゴールデンクロス」という状況が起こりました(中略)。
一般的にゴールデンクロスというのは、移動平均線の「26週線が上昇局面または横ばいの状態にあるとき、13週線が26週線の下から上へ突き抜けること」を言うわけですが、これが観察される状況になりますと過去においては結構上昇しています。
(中略)NYダウは2009年3月の安値以降2段階の上昇を示してきており、昨年10月を底に株価上昇の第三波動が始動したという可能性もあると思っています。】

そして為替については今月1日、「81円台の円安・ドル高水準までの下落といった程度ではなく、場合によっては大幅な円安進行が今後起こってくる可能性もある」と『今後の為替レートの決定要因2』と題したブログで述べましたが、それから半月で84円台に下落しています(参考:2012年3月15日日本経済新聞「円、一時84円台に下落 11カ月ぶり」)。
何故円が弱くなって行くと考えているのかに関しては、上記ブログ等でこれまでも度々指摘してきているわけですが、その要因の一つとしてはやはり円高を齎してきたデフレが今後解消してくる可能性があるというのが挙げられると思っています。
次に所謂「双子の赤字(財政赤字と経常赤字)」という観点から説明し得る円安要因もあると考えていますが、日本の経常収支の悪化に関しては『週刊ダイヤモンド3月17日号―銀行・証券 終わらざる危機』でも下記のように指摘されています。

『東日本大震災の影響もあって、11年の経常収支は、前年比約44%減となり、15年ぶりに10兆円を割り込んだ。貿易収支に至っては、1963年以来、ほぼ半世紀ぶりの赤字(▲1.6兆円)に転落した。経常収支はいつ赤字転落するのか? 2015年という悲観的な予測から30年以降などまちまちだ。』

東日本大震災や「タイ大規模洪水」等の一時的な要因によって経常収支の大幅悪化が齎されたということはあっても、そうした状態が定着して行くというふうには私は基本的に考えていません。
唯、やはり日本の現況から言えば、貿易収支というのは赤字に向けて中長期的に動いて行く趨勢に入っているということなのだろうと認識しています。所得収支が貿易収支を上回って経常収支の黒字が当面保たれるという状況になっていくと思います。
最後に金利要因についても指摘しておきますと、例えば日本国債のチャートを見ていますとデッドクロス的な状況が出現しているというふうに感じられ、国債暴落懸念(長期金利上昇リスク)というのも大分出てきています。
仮に長期金利が上がり始めた場合、一時的には円が強くなるのかもしれませんが、国債暴落を発端に日本の金融システムが壊滅的打撃を受けることになりますから、結果として円安ファクターとなるでしょう(参考:上記『週刊ダイヤモンド3月17日号』)。

以上、日米株式、及びドル円の相場見通しを述べてきたわけですが、上記を踏まえて3ヵ月後の状況を具体的に述べるならば、日経平均株価は11,000円を超えている可能性は十分にあると見ていますし、ドル円相場については85円を抜けて90円位までの円安進行が起こっても可笑しくはないというふうに考えています。




 

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