北尾吉孝日記

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先週金曜日のウォール・ストリート・ジャーナル日本版記事「早急に途上国のIMF発言権拡大を-BRICS首脳会議」でも下記のように指摘されていますが、世界人口の40%、世界経済の20%を占めているBRICS5カ国は「西側諸国がコントロールしている世界の金融システムの再編と、先進国に対する輸出依存軽減に向けた努力の一環」として、新たなる一歩を踏み出しました。

『この措置には、BRICS諸国の開発銀行間で自国通貨で信用枠を供与する取り決めが盛り込まれている。これは、5カ国間で貿易を拡大し、世界の準備通貨であるドルに対する5カ国の依存度を軽減することを狙っている。
BRICS首脳はまた、5カ国共通の単一の開発銀行(いわゆるBRICS開発銀行)設立の可能性を調査するよう5カ国財務相に要請したと述べた。これは米国主導の世界銀行に代わる開発融資機関になる可能性があるという。』

21世紀というのは、言ってみれば西洋一辺倒の価値観が支配する世界から非常に多様化した価値観が混在する世界に移って行くような世紀になると私は言い続けていますが、世の中はそうした方向にどんどん動いて行っていますし、大きな潮流としては今後も変わることはないでしょう(参考:2011年1月北尾吉孝日記『21世紀に対する洞察』及び『21世紀に対する洞察2』)。
その多様化した価値観の中には中国的なものやインド的なもの、あるいはイスラミックの価値観やブラジルの価値観等々、種々雑多なものがありましょうが、そうした所に21世紀の大きな特色があるというように私は認識しています。
嘗てサミュエル・ハンチントン著『文明の衝突』という本がありましたが、この21世紀について多くの知識人は東洋と西洋のある意味での文明の衝突が起こる可能性を否定出来ない時代というふうに考えているようです(参考:2011年7月12日北尾吉孝日記『現実化してきたパックス・アメリカーナの終焉』)。
更にはそうした東西問題というだけでなくイスラミックの世界がどうなって行くのかについても大問題として残り続けて行くことでしょう。
また、ドルを基軸通貨とした米国一極集中体制に対しても、これまでもBRICSをはじめとした新興諸国が次々と批判的見解を表明し、通貨多様化を齎すような取り決めが実際に為されて行くといった状況になっています(参考:2009年7月15日北尾吉孝日記『多極化する世界』)。
一極集中が崩壊し世界が多極化して行くという一つの意味は、世の中がある意味より複雑化して行く中でより様々な事象に対応する大変な力というものが必要になるということです。
こうした時代には、「小異を捨てて大同に就く」というあの有名な周恩来首相のスピーチによって1955年の「バンドン会議」の流れは変わり、「平和10原則」の宣言が可能となったとも言われていますが、彼のような人物が出てきて世界とのコミュニケーションを図り、そして世界を引っ張って行く中で正反合を具現化する、正に中庸の世界というものを実現して行かねばならないということです。21世紀においてはこうした東洋思想というものが益々大事になってくるというように私は考えています。




 

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