北尾吉孝日記

『QE3を巡る要因』

2012年4月16日 17:40
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米国経済についてはこれまで比較的ポジティブな指標が雇用や生産・消費に関して発表されてきましたが、此処の所下記のように予想を下回るものが少し目立つようになってきました(※1)。

『前週末6日には、米3月雇用統計で(中略)非農業部門雇用者増加数は前月比12.0万人増加にとどまり、2月改定値の同24.0万人増加(同22.7万人増加から上方修正)に比べて大幅に悪化し、市場予想も大幅に下回った。12日には、米週間新規失業保険申請件数が38.0万件となり、前週改定値の36.7万件に比べて1.3万件増加して市場予想以上に悪化した。(中略)米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は75.7となり、3月確報値の76.2に比べて低下し市場予想も下回った。』

そうした中でQE3(量的緩和第三弾)への期待再燃というような状況も現出し始めているわけですが、私は今のタイミングでのQE3は恐らく為されないというふうに考えています。
何故ならば、米国が余りにも金融緩和を押出して行くというのは世界経済にとっても必ずしも良い面だけではないわけで、過去のQE1、QE2と同様に資源・食料価格の高騰を招くことになりかねません。
また今年11月の大統領選挙に向けた動きとして見ても、雇用や生産等の改善こそがオバマ陣営にとっては一つのセールスポイントになっていたので、やはりまだ回復とは程遠いという印象に繋がりかねません。
唯、今後も市場予想を大幅に下回るような数値がだらだらと出続けるとなれば、それ自体が大問題ということになりますから、QE3を実施せざるを得ないような局面も出てくるかもしれません。
最後に先週後半の米国株式市場の動きを見ていて感じたことを簡単に述べておきます。
NYダウは先週木曜日、中国経済が予想以上に強いというような噂が流れたことから前日比181ドル19セント(1.4%)高と今年2番目の上げ幅を記録し、中国が発表した結果は8.1%とやはり低かったので、翌日には前日比136ドル99セント(1.1%)安と大きく下落しました(※2/※3)。
欧州経済が依然として厳しい状況の中、中国経済が未だに強いというのが米国マーケットにとっても一番の安心感でありますし、やはりそうした状況というのが米国の雇用にも生産にも繋がって行くということなのだろうと思います。
先週後半の米国株式市場の状況推移を見ただけでも、やはり中国を初めとする新興諸国の影響力というものが非常に大きくなったという側面を改めて痛感した次第です。

参考
※1:2012年4月14日財経新聞「【株式市況を検証】日経平均株価、TOPIXともに2週連続の下落
※2:2012年4月13日日本経済新聞「米国株、ダウ続伸181ドル高 中国の成長に期待感、HP大幅高
※3:2012年4月14日日本経済新聞「米国株、ダウ反落136ドル安 世界景気の減速懸念




 

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