北尾吉孝日記

『インドネシアについて』

2012年5月16日 10:16
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先月23日より株式会社SBI証券はインドネシア株式の新規取扱を開始したわけですが、世界第4位の総人口248,216,193人(2012年7月推定)を抱えるインドネシアは、消費のマーケットとしても、あるいは生産基地としても非常に有望であると私は考えています(※1/※2)。
インドネシアは、2008年9月のリーマンショック以降、当該国の株価が他国同様に大きく下落したものの、その戻りが新興国の中でも早かったのです(※1)。
ですから、健全に経済も成長し、株価も上昇して行ったと言って良い程あのリーマンショックの影響を被ることがなかったわけです。そうした先進諸国の揺らぎを受けずにある意味同化されないという意味での驚きが私にはありました(※3)。
何故そういう状況が齎されたのかと言えば、その一つにインドネシアがそれだけ先進諸国との繋がりが薄い国であるというのが挙げられますが、片方で一つのドメスティック・マーケットとして十分な大きさがあって、下記の通り中間所得層の急増も見られ、国内で十分な経済活動が行われているという事実もあるからです。

『日本貿易振興機構(ジェトロ)によれば、年間の世帯可処分所得が5000ドル超~3万5000ドル以下の中間層は20年に約2億人、総人口に占める中間層の比率は80%となり、09年(約8200万人、36%)から急拡大する見通しだ。
しかも人口構成が若く、20歳以下の若年層が総人口の4割を占める。15~64歳の生産年齢人口の割合が上昇し、経済成長に寄与する「人口ボーナス期」が30年ごろまで続くとみられる。』(※4)

世界中の株価が欧米の揺らぎに影響されて行くという現況において、インドネシアはある意味アイソレートされた形で大いに栄えているという部分があるわけですから、投資家にとってはポートフォリオの安定性を齎す上で非常に貴重なマーケットとも言えましょう。
勿論インドネシアの状況も徐々に変わってくるとも思われ、例えば様々な国から資金流入が起こる程にその短期資本の移動によって振り回されるという事態も現出し得るわけで、現に1997年のアジア通貨危機の時には韓国と同じようにインドネシアも大変な状況に陥りました。そういう意味では高い授業料を払って当時の悪い経験から多くを学んだことで、為替コントロール等をずっと厳格に行い現下の経済発展に繋げてきているのでしょうから、インドネシアには将来性があるというふうに私は思うのです。
また取り分けドルリンクしているような通貨圏というのはドルが弱体化する中で相対的に物価が上昇するという形にもなるわけですが、そういう意味でもインドネシアというのは上手く為替コントロールを行う術をあの通貨危機時の教訓から得たのであろうと思います(※5)。
その一方でインドネシアは様々なインフラを改善して行く必要があるというふうにも見ており、例えばジャカルタなどは飛行場からシティセンターに行くのに交通渋滞が物凄く激しく時間帯によっては2~3時間も掛かってしまうというように嘗てのバンコクのような状況です(※2)。
従って、インフラ整備なくしてやはり色々な意味で経済発展を成し遂げるのは難しいわけですから、先ずはこうしたボトルネックを解消すべく、今後も相当程度の投資を続けてインフラの充実を図って行かねばならないということです。
唯、上記ボトルネックを解消する上でも経済成長率が高いことが一つの条件になって行くわけですから、世界第4位の人口規模を誇り、今現在経済に大変な活気があって新しいものが次々と導入されて行っているインドネシアにおいては、良い循環が必ずあるというふうに私は思っています。

参考
※1:株式会社SBI証券 外国株式「インドネシア株式の魅力
※2:2010年12月28日北尾吉孝日記『アジア各国の金融経済情勢~中国、インドネシア、ベトナム~
※3:2012年1月11日EMeye「インドネシア、12日の決定会合への期待高まる、利下げなら株高も
※4:2012年5月8日日本経済新聞「中間層急増、勢いづく消費(熱風 インドネシア)若年パワー 便利さに関心
※5:2010年11月11日北尾吉孝日記『「通貨戦争」と基軸通貨ドル




 

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