北尾吉孝日記

『日本人の遺伝子』

2012年5月17日 13:25
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先日、『ペルリ提督日本遠征記』(岩波書店刊)という文庫本を読みました。
「ペルリ提督」とありますが、これは幕末に黒船4隻を率いて日本に来航した「ペリー提督」を指しています(※1)。
その中に幾つかの話が非常に面白く書かれていますが、その一つに大震災に纏わる次の一節がありました。

『地震によって生じた災禍にも拘はらず、日本人の特性たる反発力が表はれてゐた。その特性はよく彼らの精力を証するものであった。彼らは落胆せず、不幸に泣かず、男らしく仕事にとりかかり、意気阻喪することも殆どないやうであった。』(※2)

東日本大震災から一年を迎えましたが、正にあの時と同じような状況が江戸時代にもあって、それを見て外国人が驚いたということです。
日本人の高い精神性について今回も大変な賛辞を得たのは、拙著『日本人の底力』(PHP研究所)の「まえがき」でも次のように述べた通りです。

【今回の大震災で世界中の人たちが混乱の中で示される日本人の忍耐と寛容の精神、助け合いと同胞意識の強さ、任務のために勇気を振り絞り決死の覚悟で原発に放水する消防庁や自衛隊の人たちの姿等々に心を打たれています。日本人はこの崇高(けだかく尊いこと)な精神を脈々と受け継いでいるのです。われわれ日本民族の血に流れているこの精神をもう一度自信を持って顕在化するのです。そうすれば、世界に冠たる国に再度なれるのです。それは歴史が過去証明してきたことです。】

日本人は江戸時代から大きく変わったとも言えますが、片方でやはり日本人の遺伝子として不易なるものを受け継いでいるということでしょう。
『ペルリ提督日本遠征記』という本を読み、ペリー提督が今に通じる形で日本人を非常に高く評価していたということを私は非常に嬉しく思いました。
また、ついでに『聖フランシスコ・ザビエル全書簡』(平凡社刊)という文庫本も読んでいました。
なぜ私がこうした読書をし始めたかと言うと、外国人から見た日本人観というものが江戸時代からどう変わっているかというのが、最近の私の興味の対象の一つとなっているからです。
今後発刊する何かの書に、また上述したようなことも触れてみたいというふうに思っています。

参考
※1:2010年1月14日北尾吉孝日記『歴史的変革期にある日本
※2:東京大学大学院情報学環紀要 情報学研究 No.81「ペリーが見た日本人の特性





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  1. 本土日本人と沖縄県民(琉球民族)は「縄文人」と「弥生人」との間に産まれた混血民族です。Y染色体ハプロタイプでは、
    ●縄文人:DE系統D亜型D2A (今から3万年前より日本列島にいた先住民)
    ●弥生人:NO系統O亜型O2B1 (今から約3000年前に日本列島に渡来)
    と推定されています。本土日本人は、Y染色体ハプロタイプでは「DE系統D亜型D2A(約40~50%)」と「NO系統O亜型O2B1(約22~30%)」「NO系統O亜型O3(約15%)」による混血(ハーフ)です。「DE系統D亜型D2A」と「NO系統O亜型O2B1」は、世界中で「沖縄県民(琉球民族)」と「本土日本人」しか持っていません。中国人は「NO系統O亜型O3」、朝鮮人は「NO系統O亜型O2B*/O3」となり、基本的に「NO系統O亜型」しか持ちません。「DE系統」としては他に「DE系統E亜型」があり、アフリカ、中東、南ヨーロッパに分布する民族となります。日本人の混血の約半分を占める「DE系統」はいわゆるモンドロイドではなく、特徴の一つとして、立体的な顔が上げられます。日本人と「朝鮮人、中国人」で異なる点として、「個人差はあります」が、多少彫りのある顔、多少濃い髭、目が長くなく丸い、耳が離れている、顎がするりと丸い、子供っぽい容貌等は、「DE系統D亜型D2A」由来と考えられます。(アイヌ人(D2*)、沖縄県民(琉球民族:D2A)は本土日本人より更に「DE系統D亜型D2」の比率が高くなります(アイヌ人は88%、琉球民族は58%)。また、容貌が日本人と似ていると言われる、羌族などのチベット人は「DE系統D亜型D1/D3:両方足して48%」と「NO系統O亜型」との混血です。今から約68000年前のアフリカにおいてDE系統DEからDE系統Dが分岐、また約38000年前の東アジアにおいてDE系統DよりDE系統D2が分岐したと推定されています。チベット人のD3は数はD2より上ですが、分岐年代が一番新しいのはD2の方となります。参考までに、主に中国人など東アジア一般的な「NO系統O亜型O3」の分岐は、今から約25000~30000年前と推定されています。DE系統とNO系統は、極めて遠い民族同士であり、20万年と言われる現世人類(サピエンス)の歴史の中で、10万年以上さかのぼらなければ接触点がありません。)



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